ロシアの宇宙船が制御不能に、数日中に大気圏再突入へ

ロシアの宇宙船がドッキングを目指していた国際宇宙ステーション(ISS)

2015.04.30 Thu posted at 11:40 JST

(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に向かうはずだったロシアの無人宇宙船「プログレス59」は、当初の目的を果たすことなく数日中にも大気圏に再突入する見通しとなった。管制との交信が不可能になったことが原因だ。ISSに滞在する米航空宇宙局(NASA)のスコット・ケリー宇宙飛行士が29日に明らかにした。

同飛行士がロシア宇宙庁(ロスコスモス)の発表に基づいて述べたところによると、プログレスはISSにドッキングせず、数日中に大気圏に再突入する。NASAは、プログレスが制御不能になったと説明している。

交信が途絶えていなければ、プログレスは当初の予定通りISSに補給物資を届け、廃棄物や不要機材などを回収した後に、大気圏へ再突入して燃え尽きることになっていた。

NASAによれば、プログレスはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から28日に打ち上げられた。しかし打ち上げロケットの「ソユーズ」を切り離した後、ロシアの管制との交信が途絶え、航行アンテナの展開といったシステム状態の確認ができなくなっていた。

予定されていたISSとのドッキングはいったん延期された後、中止が決まった。NASAによれば現在ロシアの管制はプログレスの不具合を調査中。今後の対応についても併せて検討しているという。ロスコスモスは詳しい情報を公表していない。

同船には3トン以上の食料や燃料、酸素、交換用の部品、実験機材などが積まれていた。現在ISSには6人の宇宙飛行士が滞在しているが、まだ物資は十分にあり、これらの飛行士が危険にさらされることはないとNASAは強調している。

次回の補給は、NASAと契約する米民間宇宙企業のスペースXが請け負う。同社の宇宙船の打ち上げは6月19日以降になる予定。

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