米ボルティモアでデモ隊が暴徒化し負傷者、夜間の外出禁止に

店舗から品物が持ち出されるなどの被害も出ている

2015.04.28 Tue posted at 09:40 JST

(CNN) 警察に逮捕された黒人男性の死をめぐり住民らの抗議運動が激化する米メリーランド州ボルティモアで27日深夜、デモ隊が暴徒化して警官隊と衝突した。警察の発表によると、警官7人が骨折などの重傷を負い、1人が意識不明となっている。

こうした事態を受けて、メリーランド州のホーガン州知事は非常事態を宣言。ボルティモア市のローリングブレーク市長は午後10時から翌朝5時までの外出禁止を実施すると明らかにした。28日にから1週間実施する見通し。

現場の映像には、戦闘服を着た警官らがデモ隊から石を投げ付けられ、装甲車の陰に隠れる様子が映っている。催涙ガスが使われたとみられる場面や、パトカーが炎上したり商店が略奪されたりする場面も含まれている。

デモ隊側の負傷者は報告されていない。警察幹部は記者団に「犯人を必ず見つけて逮捕する」「地域の安全を確保するためには催涙ガスなどの手段も使うことになる」と語った。

ボルティモアの抗議デモが暴徒化し、負傷者が出た

ボルティモア警察にはこれに先立ち、地元の犯罪集団構成員らが「捜査当局者をやっつける」ために連携しているとの「確かな情報」が入っていたという。情報源や、黒人死亡事件との関連性は明らかにされていない。

メリーランド州警察は27日午後、ボルティモアへの援軍として40人の州警官を増派した。同市には先週以降、すでに280人以上の州警官が送り込まれている。

黒人男性のフレディ・グレーさん(25)は今月12日に警察に逮捕され、19日に脊髄(せきずい)損傷で死亡した。市内ではこの日、グレーさんの葬儀が執り行われた。

遺族の弁護士は「一家は事態を懸念している。グレーさんが警察から仕打ちを受けるべきでなかったのと同様、この警官たちも襲われるいわれはない」と強調した。

デモ隊が暴徒化 米ボルティモア

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。