外国人ら9人の死刑、週内にも執行か インドネシア

2015.04.27 Mon posted at 10:58 JST

(CNN) インドネシアの司法当局が25日、薬物関連の犯罪で死刑を言い渡されている外国人ら10人のうち9人を72時間後以降に処刑すると通告したことがわかった。

10人の出身国はインドネシアのほか、フランスやフィリピン、オーストラリア、ガーナ、ブラジル、ナイジェリアなど。全員が麻薬密輸などで射殺刑を言い渡され、執行場所となるヌサカンバンガン島で収監されている。インドネシア当局者らは24日、関係国の領事らに同島へ向かうよう促し、執行日が近いことを示唆していた。

司法当局の報道官は26日、CNNに「死刑執行まで少なくとも3日間あるということ。それ以降に執行することもあり得る」と説明した。

10人はジョコ・ウィドド大統領に恩赦を求めたものの、昨年末に拒否されていた。同島で一斉に処刑されることになっていたが、このうちフランス人死刑囚1人は23日に裁判所に異議を申し立てたため、刑執行が延期された。

一方、死刑囚のひとりであるフィリピン人家政婦の弁護士は26日、CNNとのインタビューで、本人が25日の夕方、家族への電話で「死刑は28日に執行される」と語ったことを明らかにした。首都ジャカルタのフィリピン大使館も同様の情報を確認した。同死刑囚はインドネシアに麻薬を持ち込んだとして有罪になったが、弁護側は本人が知らないうちに麻薬組織に利用されたと主張している。

また、2005年にヘロイン密輸計画に関与した罪で死刑を言い渡されたオーストラリア人2人について、ビショップ豪外相は26日、執行日が迫っているとの知らせを受けたと発表。一方で「2人はこの10年で更生し、深く反省している。引き続きウィドド大統領に恩赦を求めていく」と述べた。

国連の潘基文(パンギムン)事務総長は25日、インドネシア政府に10人への死刑執行を取り止めるよう要請した。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチはジョコ大統領に対し、「死刑制度自体を廃止するチャンスだ」と呼び掛けている。

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