南アフリカで外国人への暴力事件広がる、8500人避難

南アフリカで外国人を標的とした暴力や放火事件が広がっている

2015.04.18 Sat posted at 12:22 JST

ヨハネスブルク(CNN) 南アフリカで外国人を標的とした暴力事件が広がり、ヨハネスブルクでは17日、警察が移民の経営する商店に放火した群衆らに対しゴム弾を発砲し事態の沈静化を図った。同国で活動する非政府組織(NGO)によると、暴力事件を受け移民ら約8500人が避難をしたという。

ヨハネスブルク市内では、なたで武装した群衆らが外国人が経営する商店に放火した。移民の側からは警察が十分な保護対策を取っていないと批判する声も上がっている。

移民が経営する商店を標的とした暴力事件は南部の港湾都市ダーバンで始まり、外国人2人と南アフリカ人3人が殺害された。同市の住民は、移民が自分たちの職を奪っているほか、犯罪に手を染めているなどと主張している。政府統計によれば、南アフリカの失業率は25%。

ダーバン近郊の町ベルラムでは15日、群衆が自宅にいた外国人男性を襲撃。男性は遺体で発見された。警察によると、男性は襲撃現場から逃げ出したものの、負傷のため自宅付近で死亡していたという。同町を含むクワズールー・ナタール州全体では、こうした暴力事件に関連して少なくとも112人が逮捕された。

ヨハネスブルクでは警察がゴム弾を発砲して沈静化を図った

こうした暴力事件を受けて同国のズマ大統領は、政府が懸案の社会問題や経済問題に取り組んでいる点を指摘。移民については、同国経済に貢献していると強調し、「さまざまな犯罪で逮捕される外国人がいる一方で、この国の外国人全てが犯罪に関わっていると見るのは間違いであり誤解を招く」と述べた。

暴力が各地に広がる中、恐怖を感じた移民の間では避難の動きが始まっている。同国を拠点とする救援組織「ギフト・オブ・ザ・ギバーズ」によると、この1週間で、約8500人が仮設の避難センターや警察署に身を寄せたという。

南アフリカで外国人標的の暴力事件拡大 現地を取材

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