欧州委、グーグルの「独占的立場の乱用」に警告

欧州委員会が、グーグルに厳しい目を向けている

2015.04.16 Thu posted at 11:25 JST

ロンドン(CNNMoney) 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は16日までに、インターネット検索大手グーグルの検索サービスについて、公正な競争を妨げているとの見方を示した。一方、グーグルは、欧州委員会の主張には「強く反対する」としている。

主に問題とされているのは、グーグルが検索結果を表示する際に、自社の商品価格比較サイトを競合他社へのリンクよりも優先して表示している点だ。

例えば「ランニング用腕時計」を検索した場合、最も上に表示されるのは5種類の時計の価格や販売サイトへのリンクだ。これはいずれもグーグルに広告料金を支払っている企業が販売している商品。アマゾンといった競合他社の情報は後回しとなる。

マルグレーテ・ベスタエアー欧州委員は「独占的な企業がその独占的な立場を乱用し、関連する市場で有利な状況を作り出すのは認められない」と述べた。

この指摘に対し、グーグルは今後10週間以内に欧州委員会に公式に回答しなければならない。和解による解決を選ばなかった場合には、数年にわたる法廷闘争となる可能性がある。

グーグルは、最高で4半期の利益を上回る60億ドルの罰金を課せられる可能性もある。また、EU域内での検索結果の表示方法の変更も迫られる可能性もある。

グーグルによれば、一般的な検索市場では90%のシェアをもっている同社も、旅行や商品に特化した情報検索サービスではアマゾンなどのライバルの後塵を拝しており、独占的な立場とはいえないという。

欧州委はまた、グーグルの携帯電話向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」について、競合他社の団体から「携帯市場を独占し消費者データをコントロールしている」との訴えを受け、本格的な調査を開始したと発表した。

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