混乱のイエメン 死者600人超、援助物資第1弾が届く

ユニセフからの援助物資16トンがサヌアに到着したという

2015.04.11 Sat posted at 13:03 JST

(CNN) 混乱が続くイエメン情勢で、国連児童基金(ユニセフ)は10日、16トンの医療品を含む救援物資第1弾が同国の首都サヌアに到着したと発表した。医療品は紛争に巻き込まれた最大8万人の治療に使われる見通し。

UNICEFは声明で「人道的な状況は悪化の一途をたどっている」と述べ、子どもや一般家庭に犠牲が出ている現状に警鐘を鳴らした。今後も追加支援を行っていく予定だという。

救援物資に含まれているのは、抗生物質や包帯、注射器、点滴など。こうした医療品は緊急に必要とされているものの、混乱が続く中でイエメン国内に輸送するのは難しい状況だ。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は10日、イエメンからの約900人の難民がソマリアなどアフリカ東岸に到着したことを明らかにした。国外脱出を図っているとされるイエメン国民は他にも多数いるが、燃料不足などのため身動きがとれないのが現状だ。

空爆を逃れて孫とともにイエメンを脱出してきた女性

UNHCRは声明で「捜索・救援活動が行われてない状況で紅海やアデン湾を渡る人々の危険について、極めて憂慮している」と述べた。

イエメンの人々は粗末な漁業用ボートに殺到して国外に脱出している。ある家族はCNNに対し、渡航は「地獄を垣間見る」経験だったと語った。

世界保健機関(WHO)は10日、紛争が激化した3月19日から4月6日の間に643人が死亡、2226人が負傷したと発表した。ただ、これは保健当局が確認できた件数であり、実際の犠牲者はさらに多いとみられる。

イエメンでは先月、シーア派武装組織「フーシ派」が首都サヌアを制圧するなど治安情勢が悪化。その後のサウジアラビア主導の空爆でも犠牲者が出ている。

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