ワシントン(CNN) 米首都ワシントンが7日午後、大規模な停電に見舞われ、ホワイトハウスなどの米政府機関や民間の建物、市の公共交通機関などに一時的な影響が出た。米当局は、テロをうかがわせる痕跡はないとしている。
当局によると、停電はメリーランド州南部の変電所で起きた小規模な爆発と火災が原因で、2000あまりの顧客が影響を受けた。
消防は現地時間の同日午後0時45分ごろに通報を受け、同変電所に消防隊を派遣。変圧器で起きた「小規模な火災」を約35分で消し止めた。けが人はなかったとしている。
ワシントンの電力会社SMECOによれば、午後2時ごろまでにはほとんどの電力が復旧した。
地元消防局の広報は、放火やテロとの関連をうかがわせる痕跡はないと説明。米国土安全保障省もCNNの取材に対し、「現時点で悪質な行為に起因していた痕跡はない」との見方を示した。
ホワイトハウスや国務省でも電気が消えた。国務省では定例記者会見中で、ハーフ報道官代行は携帯電話のライトを使って質疑応答を続けた。国務省の停電は午後1時15分ごろになっても続いたが、ほとんどのビルでは数秒で復旧した様子だった。連邦議会議事堂もすべての建物で電力が復旧した。
ホワイトハウスは記者会見場や西棟などが一時停電に見舞われ、バックアップ発電機で対応した。
スミソニアン博物館は、市内にある4施設で入場者などを避難させたことを明らかにした。
ワシントンの玄関口となる2つの空港はいずれもバージニア州にあって無事だった。
地下鉄は13駅でバックアップ電源を稼働させ、エレベーターやエスカレーターが使えなくなった。しかし電気が消えることはなく、地下鉄も運行を続けた。
国務省の記者会見中に停電 米ワシントン