ケニア・ガリッサ(CNN) ケニア軍の関係者は6日、隣国ソマリアでテロ組織「シャバブ」の拠点に対する空爆を行ったことを明らかにした。ケニアでは大学が襲撃されて約150人が死亡する事件が起きたばかりだが、今回の空爆はこの事件を受けたものではないとしている。
軍関係者は「ケニア軍によるシャバブ拠点の攻撃は、2011年から始まった作戦の一環であり、ガリッサ襲撃に対する報復ではない。作戦は進行中だ」と話した。
ソマリアの住民によると、今回の空爆はソマリアとケニアの国境近くにあるシャバブの拠点に対して5日午後から始まった。国境から約200キロ離れたソマリア南部の町バルデラの住民などによれば、シャバブの訓練場も標的となった。
シャバブはソマリアを本拠とする国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力で、ケニア東部ガリッサで2日に起きた大学襲撃事件について犯行を認める声明を出していた。
この事件に関連して警察関係者は6日、ケニア当局が事前にガリッサが襲撃されるかもしれないとの情報を入手していたことを明らかにした。しかし現地へ急行しようとした即応班は、輸送手段の手配を待って首都ナイロビで何時間も足止めされていたという。
足止めされた原因は分かっていない。ナイロビからガリッサまでの距離は約370キロ。ガリッサの警察関係者によれば、政治家やナイロビの報道陣は、即応班よりも先に現場に到着した。
ようやく即応班が現場の大学に到着すると、事態は間もなく収拾した。
これについてケニア大統領報道官は、こうした事件への対応を巡っては批判が付いて回るのが常だと述べ、ケニア当局は多くの学生を救って職務を果たしたと強調した。