(CNN) イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」の掃討作戦を主導するサウジアラビアの消息筋は4日までに、サウジの特殊部隊がイエメン南部アデンに展開し、フーシ派制圧を進める同国政府軍を側面支援していることを明らかにした。
ただ、支援の内容は非戦闘的な役割にとどまり、フーシ派とサレハ前大統領派の武装勢力との戦闘での調整や助言などとなっている。兵器や通信機器のパラシュート降下にも関与している。
消息筋はまた、CNNの取材に、サウジによる激しい空爆を受けフーシ派の武装勢力はアデンの大統領宮殿や一部の主要施設から撤収したとも述べた。ハディ暫定大統領はアデンに一時滞在していたが、先月国外へ逃れている。
イエメンに対する軍事介入にはサウジの他、ペルシャ湾諸国などの計9カ国が参加。軍事力の行使はこれまで空爆などに限られているが、地上戦に踏み切った場合、中東情勢の混迷はさらに深まるとみられる。サウジは地上兵力投入の可能性にも言及している。
サウジとイエメンは国境を接しており、事態がこじれた場合、フーシ派がサウジに侵攻する可能性も出てくる。同派は既に、サウジ国内で自爆攻撃を起こすとも警告。サウジの国境警備隊の2人が3日、フーシ派と交戦し殺害されたとの情報もある。
一方、米国防総省当局者は2日、CNNに対し、米海軍の戦闘艦船がイエメン沖合で不審船などの哨戒活動を行っていることを明らかにした。フーシ派を支援するイランによる武器輸送などを警戒している。
国連は人道援助団体などの情報として、イエメンでは過去2週間、住民ら519人が死亡、約1700人が負傷したと報告した。
サウジとイエメンの国境を取材