ナイジェリア軍、「ボコ・ハラム」本部の奪還を発表

陸と空からのナイジェリア軍の攻撃でボコ・ハラムの拠点の町グウォザを奪還=同国国防省提供

2015.03.28 Sat posted at 15:17 JST

(CNN) イスラム過激派「ボコ・ハラム」の掃討作戦を進めるアフリカ西部のナイジェリア国防省は27日、同派が昨年樹立を宣言した「カリフ(預言者ムハンマドの代理人)制国家」の本部とする北東部の町グウォザを同日朝、奪還したとの声明を発表した。

地上軍や空軍戦力を投入しての戦果で、同町に通じる複数の町や村落でもボコ・ハラムを駆逐したと述べた。複数のボコ・ハラム戦闘員を殺害、多数を拘束したとし、大量の武器や弾薬を押収。グウォザの行政本部として用いられた施設を全面的に破壊したとも述べた。

同町はボルノ州内にあり、ボコ・ハラムは昨年8月、カリフ制国家の樹立を宣言。今月初旬には、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への忠誠を表明していた。

同国では今月28日に大統領選や36州の知事選が実施される。選挙は当初、2月14日に予定されていたが、選挙管理委員会は同月7日、ボコ・ハラム支配の地域での治安確保が難しいとして6週間の延期を発表していた。

ボコ・ハラムは最近、隣国のチャドやカメルーンにも攻撃範囲を広げていた

再選を目指すジョナサン大統領はボコ・ハラム対策が不十分として批判されていた。同大統領は27日、グウォザ奪取を受けた全国向けの放送で国防に甚大な犠牲を払っているナイジェリア軍の功績を称賛した。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは26日に発表した声明で、ボコ・ハラムの攻撃による民間人の死者は今年これまでで少なくとも1000人に達したと報告。グウォザを制圧した際には、住民約300人を森林地帯にあるキャンプへ連行したとも述べた。

ボコ・ハラムによるテロ攻撃などは2009年以降に本格化。その活動範囲はナイジェリア内が大半だったが、最近は隣国のカメルーンやチャドなどにも拡散。これを受け両国はボコ・ハラム掃討に兵力を投入し、アフリカ連合も統合部隊を編成し、軍事介入している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。