(CNN) ドイツの格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機が24日にフランス南東部のアルプス山中に墜落した事故で、同機を故意に墜落させたとみられるアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)は生前、病気を患い、医師から「乗務できる状態ではない」と宣告されていたにも関わらず、その事実を勤務先に隠していたことがドイツ当局の調べで明らかになった。
ドイツの捜査当局は26日、デュッセルドルフ市にあるルビッツ副操縦士の自宅アパートの家宅捜索を行い、ごみ箱から書面を発見した。同市のクリストフ・クンパ検事によると、その書面には、同副操縦士は勤務できる状態にないと書かれており、書面は破かれて捨てられていたという。遺書や告白文は発見されなかった。
ルビッツ副操縦士の病名は明らかにされていないが、米紙ニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナルは27日、匿名の情報筋の話として、副操縦士は生前、精神疾患の診断を下されていたにもかかわらず、その事実を勤務先に隠していたと報じた。
ルビッツ副操縦士が通っていたデュッセルドルフ市内の診療所によると、副操縦士は同診療所をこれまでに2度訪れ、最後の訪問は17日前だったという。しかし、副操縦士はうつ病の治療を受けていたわけではないとしている。
ドイツの捜査当局は、ルビッツ副操縦士のアパートから押収した書類から判明した事実について、関係者に事情聴取などを行ってから発表するとしているが、検察当局は「墜落当日を含め、療養休暇に関する書面が破かれた状態で発見されたことから、ルビッツ副操縦士は自身の病気を会社や職場に隠していたとの予備的結論が導き出せる」としている。