ドイツ機墜落、ルビッツ副操縦士とは?

ジャーマンウィングスのアンドレアス・ルビッツ副操縦士

2015.03.27 Fri posted at 11:59 JST

(CNN) 乗客乗員150人が乗った旅客機を故意に墜落させたとされるジャーマンウィングスのアンドレアス・ルビッツ副操縦士(28)。最後の瞬間の音声は、同機のボイスレコーダーにも残っていなかった。

捜査当局によると、ルビッツ副操縦士は機長を閉め出して1人で操縦室に残った。ボイスレコーダーには副操縦士の落ち着いた呼吸音だけが収録されていた。

当局者によれば、ルビッツ副操縦士は精神衛生診断に合格して採用され、テロ組織との関係も確認されておらず、飛行中に健康問題が生じた形跡もない。

親会社ルフトハンザ航空のカーステン・シュポア最高経営責任者(CEO)も26日、同副操縦士はすべての試験に合格して健康診断にも異常はなく、精神的に不安定な兆候もなかったと語った。

ルビッツ副操縦士が育ったドイツ西部のモンタバウアーで同じ飛行クラブに所属していた知人のパイロットたちは、信じられないと口をそろえる。ある知人は「ごく普通の若者だった」と振り返り、別の知人も「私の知っているアンドレアスならこんなことはあり得ない」と絶句した。

ジャーマンウィングスによると、ルビッツ副操縦士は2013年に採用され、ドイツ・ブレーメンにあるルフトハンザの施設で訓練を受けた後、630時間の飛行経験を積んできた。

ジャーマンウィングスのアンドレアス・ルビッツ副操縦士

検察によれば、今回操縦していたのと同型機での飛行経験は100時間程度だったが、単独で同機を操縦するために必要な資格はすべて持っていたという。

シュポア氏は、「ルフトハンザには乗員が処分を受けることなく自分自身の問題や同僚の問題を報告できる制度がある。だが今回はこれが使われなかった。我々が誇ってきたすべての安全策が機能しなかった」と肩を落とした。

ボイスレコーダーに残された音声からは、操縦室を出た機長が再入室しようとしたところ、ドアが開かず閉め出されていたことが判明。当局は、操縦室に残ったルビッツ副操縦士が故意に機長を閉め出したのは明らかと見ている。

航空機の操縦室は2001年9月11日の米同時テロを受けて、ドアを力ずくで破ったり小火器で破壊したりできない作りになった。このため「機長が操縦室に戻れる手段はなかった」とシュポア氏は説明する。

米国の航空会社は、パイロットが操縦室を離れる場合は客室乗務員が代わって入室し、操縦室には必ず2人以上残すことを義務付けられている。しかし各国の航空会社がすべてこうした措置を取っているわけではないと専門家は指摘している。

墜落機を操縦していた副操縦士とは?

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。