エジプト、サウジのイエメン介入支援 地域の宗派抗争の様相

サウジアラビアのアルジュベール駐米大使がイエメンでの軍事作戦開始を発表

2015.03.26 Thu posted at 16:03 JST

(CNN) エジプトの国営通信は26日、サウジアラビアや一部のペルシャ湾諸国がイエメンに対して行った軍事介入に触れ、エジプトが空爆などの作戦への政治的、軍事的支援に踏み切る方針を決めたと報じた。

同国外務省筋の情報としている。軍事作戦に関与する準備作業についてサウジや湾岸諸国と協議中とも伝えた。支援の具体的内容については空海戦力に加え、必要なら地上軍を出動させる可能性があるとしている。

サウジや湾岸諸国、エジプトの政権はイスラム教スンニ派が主導し、フーシ派はシーア派の大国イランの支援を受けているともされる。今回のサウジなどの軍事介入を受け、イエメン情勢は地域間の宗派対立を反映する代理紛争の様相も呈してきた。

サウジ当局筋は26日、CNNに対しサウジ空軍はイエメンで政権掌握を宣言したイスラム教シーア派の武装組織「フーシ派」の対空防衛網をほぼ無力化し、多数の戦闘機を破壊したことを明らかにした。サウジがイエメンの大半の制空権を基本的に押さえたとし、飛行禁止空域の設定を進めているとも述べた。

サウジの国営テレビ「アラビーヤ」は、同国はイエメン介入の湾岸諸国の連合軍に軍用機100機、地上兵力約15万人の投入を約束したと伝えた。

一方、フーシ派の政治部門の幹部はCNNアラビア語放送の取材に応じ、サウジらの今回の行動は明白な侵略行為と非難。これに対抗すべく行動を取ると言明、イエメンの全国民を反サウジで団結させるとし、サウジは高い代価を支払うことになると主張した。

サウジなどによる軍事介入作戦の詳細は不明だが、対象は複数の都市や地方とされる。空爆の対象は軍事施設や拠点、兵器集積所などとみられる。イエメンの首都サヌア在住のジャーナリストによると、同市では数百回の爆発が起きて住民は在宅を強いられており、首都が空爆の標的になった可能性がある。

サウジなどの軍事介入を発表したサウジのジュベイル駐米大使は空爆には米国は関与していないと説明。ただ、オバマ米政権の複数の当局者はCNNに米政府部局の要員で構成される調整チームがサウジに滞在しているとの事実を明かした。サウジ当局は今回の軍事行動での目標をまだ明確にしていないが、米国に対し空軍支援、人工衛星画像や他の諜報(ちょうほう)情報の提供を今後求める可能性があるという。

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