(CNN) ドイツの格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機がフランス南東部のアルプス山脈付近に墜落した事故で、米紙ニューヨーク・タイムズは捜査にかかわる軍幹部の話として、現場から回収されたボイスレコーダーを解析した結果、同機が墜落した時点でパイロットの1人が操縦室から閉め出されていたことが分かったと報じた。
軍幹部は同紙に対し、閉め出された男性パイロットが操縦室のドアを破ろうとする音がボイスレコーダーに記録されていたと説明。「なぜこの人が閉め出されたのかはまだ分からない」「しかしこれが墜落間際で、単独で残ったもう1人のパイロットがドアを開けなかったことは間違いない」と語った。
一方、CNN系列局のフランス2によれば、フランス当局は25日、犠牲者数人の遺体をヘリコプターで回収したことを明らかにした。
捜索隊はこの日、ヘリコプターで現場の山間部に降り立ち、険しい斜面の捜索を続けた。原因解明のカギを握るブラックボックスのうち、操縦室の会話を記録したボイスレコーダーは24日に回収されたが、飛行データを記録したフライトデータレコーダーはまだ見つかっていない。
同機はスペインのバルセロナからドイツのデュッセルドルフに向かう途中、24日にフランスで墜落した。搭乗していたのは18カ国からの乗客乗員150人。ジャーマンウィングスは家族がフランスに渡航するための便などを手配する方針で、26日には親会社ルフトハンザ航空の特別機がフランス南部へ向かう。
ルフトハンザ航空のカーステン・シュポア最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、同機は「技術的に完璧」な状態にあり、2人のベテランパイロットが操縦していたと説明。なぜこのような事故に巻き込まれたのか分からないと語った。
当局者は、同機がテロに巻き込まれた可能性は排除していないものの、その可能性は低いとの見方を示している。
米連邦捜査局(FBI)はフランスとドイツ、スペインで同機の乗客名簿を調べていることを明らかにした。これまでのところ、犯罪に結びつくような乗客は見つかっていないという。
ドイツ機墜落、パイロット締め出されていた