ISIS、アフガンで勧誘活動 CNNが集会を撮影

ISISによる勧誘の様子

2015.03.24 Tue posted at 10:27 JST

カブール(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)が撤退を進めるアフガニスタンで、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が戦闘員の勧誘を始めている。国内の片隅で開かれた集会を、CNNが許可を得て撮影した。

集まった参加者らの前に立つのは、シリアで戦闘に加わり帰国したばかりのアフガン人男性。「きょうはシリアでのムジャヒディン(イスラム戦士)について述べたい」と、話を始める。自身や外国人も含めて5人の勧誘員が、アフガン各地に散ってこのような活動を展開しているという。

「キリスト教徒とユダヤ教徒はアフガンをはじめ、シリアやイラク、パレスチナでイスラム教徒を攻撃してきた」と訴え、「ジハード(聖戦)」の必要性を主張した。

参加者は全員顔を覆っていたが、意欲は伝わってくる。ISISはまだアフガンでの活動を始めたばかりとみられるが、同国にはイスラム武装勢力「タリバーン」の元戦闘員や、人生の目的を探す学生らがあふれている。

同国ではNATOが撤退を進める一方で、タリバーンが政府との和平交渉に応じるとの観測が強まってきた。これに反発する内部の急進派がISISに誘い込まれる可能性もある。

ある参加者は「異教徒と戦うことが私の目的。シリアにも行くし、アフガン国内で戦えと言われればそれに従う」と語った。地元での大学進学を希望しているという参加者も、戦闘員が受け取る報酬に強い関心を示した。

集会を撮影したCNNのアフガン人カメラマンは当初、シリアの国際テロ組織アルカイダ系過激派組織「ヌスラ戦線」の勧誘員とされるグループを紹介された。しかし実際には、ヌスラ戦線から離反してISISに移ったメンバーが、アフガンに勧誘員を送り込んでいるようだ。

集会で配られた応募用紙には、ISISが好んで使う「イスラミック・ステート」のロゴがあった。

国連のヘイソム事務総長特別代表(アフガニスタン担当)は国連安全保障理事会の会合で、アフガンでのISISの活動に懸念を表明。同国内にこれまでバラバラに存在してきた反体制派の分派グループが、ISISの下に集結する恐れがあると指摘した。そこには、同国が再び過激派の温床となる危険も潜んでいる。

ISISの勧誘活動、CNNが撮影

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