イエメンのモスクで自爆テロ、137人死亡 ISISが声明か

イエメン首都サヌアの2つのモスルで自爆テロが発生

2015.03.21 Sat posted at 10:31 JST

イエメン・サヌア(CNN) イエメンの首都サヌアで20日、イスラム教シーア派の武装組織「フーシ」の支持者らが集まる2つのモスク(イスラム教礼拝所)で自爆テロが発生し、少なくとも137人が死亡、357人が負傷した。国営サバ通信によると、自爆犯は体の不自由を装ってギプスの下に爆弾を隠し持っていたという。

テロがあったのは、サヌアにあるバドル・モスクとハシャフシュ・モスクの2カ所で、いずれも、シーア派の一派でフーシが属するザイド派のモスク。フーシの指導者によると、爆発はまず、モスクの建物の中で起こり、その2分後に外で起きたという。外での爆発は最初の爆発を逃れて建物から出て来た人々をねらったものと見られる。

サバ通信によると、犠牲者にはフーシの著名な宗教指導者も含まれている。また負傷者のうち40人が重体で、ヨルダンへの搬送が検討されているという。

その後、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が以前声明を掲載していたウェブサイト上に、20日の自爆テロの犯行声明が掲載された。声明は、5人の自爆テロ実行者がサヌアのフーシを標的にしたと言明。今回のテロは「氷山の一角」にすぎないとしている。

また、他の複数のISIS関連サイトにもISISによる自爆テロでフーシの支持者数十人が死亡したとする音声メッセージが掲載された。しかし、これらの声明が本物か否かの確認はまだ取れていない。

イエメンの首都サヌア

また昨年、イエメン中のフーシ支持者を攻撃すると公言した国際テロ組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は、今回のテロとは無関係とする声明を出した。

フーシは、スンニ派が多数を占めるイエメンで長年にわたり不満を募らせてきており、10年以上中央政府と戦闘を続けてきた。しかし半年前にサヌアに進出し、徐々に支配を拡大。1月に大統領府を掌握し、ハディ大統領を辞任に追い込んだ。

ハディ大統領は当初、自宅に軟禁されていたが、先月、自宅を脱出して南部の港湾都市アデンに逃れ、まだ自分が大統領であると宣言した。

フーシは1月に中央政府を掌握した際、サヌア近くに配備されていた軍も掌握。19日には、フーシの指揮下にあるイエメン軍の戦闘機が、ハディ大統領が避難しているアデンの宮殿を攻撃したが、負傷者はなかった。

イエメンのモスクで自爆テロ

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