米軍次世代ステルス爆撃機、年内に軍需大手指名へ

米国防総省が次世代ステルス爆撃機の開発を目指している。現行の「B2」を開発したノースロップ・グラマンや航空大手ボーイングとロッキード・マーティンの合弁などが契約受注を狙う

2015.03.16 Mon posted at 12:21 JST

アトランタ(CNN) 米国防総省が1970年代以来、約30年ぶりとなる次世代ステルス爆撃機の開発を目指している。空軍は年内に軍需大手の中から指名業者を選定し、2020年半ばまでに運用を開始する計画だ。

次世代長距離爆撃機「LARS―B」の開発は、現行のステルス爆撃機「B2」を開発したノースロップ・グラマンや、航空大手ボーイングとロッキード・マーティンの合弁などが契約受注を狙う。

元空軍幹部のデービット・デプテュラ氏は次世代機について、単純な「爆撃機」に分類できるようなものではないと指摘。自己修復などの機能を備え、戦闘機同士で情報を共有しながら幅広い任務をこなすものになると予想する。

国防当局者は、国家の安全や核抑止力を守るうえで新型の長距離爆撃機開発は不可欠だと強調してきた。デプテュラ氏も「中国やイラン、ロシアは我が国の基地や空母を攻撃するために、最新鋭の対空システムや長距離戦闘機を開発している」と話す。

具体的な性能について当局者は口をつぐんでいるが、通常兵器と核兵器を搭載できるステルス機になるとの見方が有力で、有人でも無人でも航行できる性能を備える可能性もある。

米国防総省が次世代ステルス爆撃機の開発を目指している。現行の「B2」を開発したノースロップ・グラマンや航空大手ボーイングとロッキード・マーティンの合弁などが契約受注を狙う

ノースロップ・グラマンは今年のスーパーボウルで放映したCMに、同機の構造設計図を登場させた。同社広報はこれについて、「顧客から建造を受注する可能性がある未来の航空機を表したもの」と説明している。

デプテュラ氏は一般論として、LARS―Bは長距離性能や大型の積載性能を備え、耐久性が高く、進化したセンサーや兵器の技術に対応できなければならないと指摘した。

空軍は2016年の予算で研究開発やテスト費用として170億ドル(約2兆円)を要求。中でもLARS―Bプロジェクトには最も高額な予算を計上する。オバマ大統領が提案した国防総省予算5340億ドルのうち、空軍は同計画のために12億ドルを要求している。

国防総省が2011年から行ってきた説明によれば、LARS―Bのコストは1機あたり5億5000万ドル(約670億円)、100機で550億ドル(約6兆7000億円)を見込む。しかし実際のコストはこれを上回るとの見方もある。

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