ティクリート奪還作戦、街の75%を制圧か イラク

軍事作戦により、ティクリートの75%をISISから奪回したという

2015.03.12 Thu posted at 17:50 JST

バグダッド(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が支配するイラク中部ティクリートの奪還作戦は12日までに、イラク軍などが同市地域の約75%を制圧する進展を示した。作戦に参加するイスラム教シーア派系の民兵組織が同日、CNNに明らかにした。

これが事実なら、ティクリート奪取に近づく大きな戦果で、イラク国内でISISの最大拠点とされる大都市モスルの攻略作戦も現実味を増してきた。ティクリートの残る約25%はISISの戦闘員約150人が占拠を続けているという。

民兵組織などは11日、ティクリート市の大統領宮殿に近い軍病院などの制圧を発表していた。4方面から同市への進攻を続けており、ISISは前線の陣地を放棄し、市中心部へ後退しているという。ただ、ISISの抵抗も激しいとされ、同市近くの主要な橋を爆破し、チグリス川を越えた東方面からの進入を阻止している。

イラク軍の兵士ら。ティクリートの奪還へ向けて攻勢を続けている

ティクリートはフセイン元大統領の出身地。ISISは昨年6月、ティクリートを陥落させていた。アバディ首相は今月1日、ティクリートや同市があるサラフディン州からのISIS掃討作戦の開始を命じていた。

奪還作戦にはイラク軍の他、シーア派の民兵組織やスンニ派の武装組織などが加わっている。兵力の規模は約3万人。

一方、イラク西部アンバル州の地方議会当局者は11日、ISISが同州ラマディ市に新たな大規模攻撃を仕掛けていると報告した。同市は首都バグダッドの西方に位置する。

ラマディへの攻撃はあらゆる方角から仕掛けられ、過去最大規模と指摘。迫撃砲やロケット弾などを撃ち込んでいる他、多数の検問所や市中心部で爆弾を積んだ車約17台を爆発させている。

同当局者はラマディ救済のために空軍の支援が早急に求められていると主張した。ラマディへの大規模攻撃の開始は、ティクリートでの戦闘に連動したものとの見方もある。米軍当局者などはISISがアンバル州を握った場合、バグダッド防衛に大きな不安が生じるとの見方も示していた。

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