クリントン氏、個人アドレス使用は「便利だったから」

クリントン前米国務長官

2015.03.11 Wed posted at 15:03 JST

ワシントン(CNN) クリントン前米国務長官が在任中、公務に個人の電子メールアドレスを使っていた問題で、同氏は10日、便利さを優先した結果だったと釈明する一方、文書管理などに関するルールには違反していないと強調した。

クリントン氏はニューヨークの国連本部で開かれた約20分間の記者会見で、「個人のメールアカウントを使うことは国務省も承知していた。仕事用と私用に端末を使い分けるより1つにまとめる方が簡単だと考えた」と振り返った。

さらに「今考えれば別のアカウントを使い、携帯電話をもう1台持ち歩く方がよかったかもしれない。だが当時はこのことが問題になるとは思わなかった」と述べた。

クリントン氏が公務のやり取りにも個人アドレスだけを使っていたことに対し、野党・共和党からは、文書の保存・管理を義務付けた政府の規定に違反していた疑いがあるとの声が上がっている。

国務省はクリントン氏が提出したメールを数カ月かけて検証したと発表

クリントン氏は夫のビル・クリントン元米大統領のために設置された個人サーバーをメールに利用していた。国務省の求めに応じて、在任中にこの個人サーバーで送受信した約6万件のメールのうち、少しでも公務にかかわりがあるとみられた約3万件、約5万5000ページ分を提出した。ただしこのうち9割はあて先が政府機関の公式アドレスだったため、すでに同省が自動的に保存していたという。

クリントン氏は一方で、私用メールだった残り3万件は削除したと述べた。このサーバーを使って機密情報を送ったことはないと述べ、サーバーはシークレットサービス(大統領警護隊)によって守られていたとも強調した。

これに対し、公務関連のうち同氏にとって都合の悪い内容のメールも削除せずにすべて提出したかどうか、確認するのは不可能だとする批判も出ている。

国務省のサキ報道官によると、クリントン氏が提出したメールは数カ月かけて検証した後、一般市民が閲覧できるウェブサイト上に掲載する。まずは在任中の2012年にリビア東部ベンガジで起きた米領事館襲撃事件を巡り、下院特別委員会が提出を求めている関連メール300件、約900ページ分から順に公開するという。

クリントン氏、個人アドレス使用は「便利だったから」

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