ロンドン(CNN) 化粧品、下着、ブーツに脱毛器――。イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に参加するためトルコ経由でシリアへ渡ったとみられる英国人の少女3人が残したメモは、ごくありふれた「旅行の持ち物リスト」だった。
少女たちはロンドン東部の同じ学校に通う友人同士で、2人は15歳、1人が16歳。2月17日に同市のガトウィック空港からトルコ・イスタンブール行きの便に乗り、数日以内に国境を越えてシリア入りしたとみられている。
メモは1人の少女の自宅のバスルームで見つかり、家族が警察に提出した。内容を閲覧したという英紙ガーディアンによると、スケジュール帳の1ページに下着や携帯電話、化粧品などの買い物リストと、分担を示すイニシャルが書かれていた。
3人分の航空チケット代1000ポンド(約18万円)を含め、予算は計2190ポンド(約40万円)と記載されていた。少女たちがこれだけの資金をどのように調達したのかは不明。警察の調べによれば、家族の宝石などを盗んで得た現金でトルコ行きのチケットを購入した可能性がある。
英議会の内務特別委員会には10日、少女たちの家族が出席し、渡航計画にはまったく気づかなかったと述べた。3人が過激思想に傾倒していた兆候もみられなかったという。
家族はまた、3人と親しかった同級生の少女(15)が昨年12月に行方不明となった問題に言及した。この少女はシリアへ向かったとみられる。警察は3人を含む友人たちから話を聞き、家庭にも協力を求めようと保護者あての書簡を託した。しかし家族側は、これが手元に届かなかったと指摘。書簡が直接送付され、行方不明の少女に関する情報が伝わっていれば、3人の渡航を阻止できたかもしれないとして、警察の不手際を非難した。
家族の弁護士は、未成年の3人が同伴者なしでトルコ行きの便に搭乗できたことや、ただちにトルコ警察と連携が取れなかったことについても、当局の責任を追及している。
ロンドン警視庁幹部が同委員会で語ったところによると、英国からシリアへの渡航を図る少女は毎月1~2人見つかっているという。