ISIS、博物館の彫像を破壊 イラク

2015.02.27 Fri posted at 14:20 JST

イラク・イルビル(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は、イラク北部の都市モスルの博物館の収蔵品を破壊している映像を公開した。

映像では、男たちが彫刻を台座から倒し、ハンマーやドリルで破壊している。

男たちの1人は「私の後ろにあるこれらの文化財や偶像は何世紀も前から伝わるもので、神の代わりに崇拝されてきた」と解説。「全能の神がこれらの彫刻や偶像、文化財を破壊するようお命じになったら、私たちはやらねばならない。それが何十億ドルもの価値のあるものでもだ」と述べている。

ビデオからは、破壊されたものが本物なのか偽物なのか判別はできない。だが専門家は、文化財が被害に遭ったことは間違いないと指摘する。

「博物館にはもっとたくさんの本物(の文化財)があったはずだと考えている」と、英イラク研究所のエレノア・ロブソン所長は言う。「文化財を移動させ、バグダッドで安全に保管するという計画もあったのだが、この博物館では実施されなかったようだ」

国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長は「歴史と文化に対する意図的な攻撃であり、暴力と憎悪を強くかき立てようとしている」と非難した。

「今回の攻撃は文化的な悲劇である以上に、イラクにおける宗派間対立や暴力的な過激主義、紛争を激化させる安全保障上の問題だ」とボコバ事務局長は述べ、イラクの文化遺産を守るために国連安保理の緊急会合を呼びかけた。

ISISは過去にも、キリスト教やイスラム教の聖地とされる預言者ヨナの墓を爆破するなど、重要な古代の文化遺産を破壊している。

またその一方で、ISISは古美術品を売りさばき、資金源にしているという。

ISISが博物館の彫像を破壊

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。