カタール、ISIS掃討戦は不十分 シリア軍への攻撃も主張

2015.02.26 Thu posted at 16:54 JST

(CNN) 米軍主導の有志連合の一員としてイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」拠点などの空爆に参加する中東カタールの政府当局者は26日までに、ISIS壊滅を目指す有志連合の軍事的対応は十分な水準に達していないとの見方を示した。

CNNに述べたもので、同当局者は特にシリア反体制派の穏健派組織の戦闘員に対する訓練拡大を主張。カタールはこれまで戦闘員約600人の訓練に関与。サウジアラビアやトルコでも訓練が進んでいる。

米国はこの訓練を受ける戦闘員の政治的背景などの身元調査を依然続けているともされる。

複数のカタール政府当局者は現在、オバマ大統領や議会指導者との意見交換のためワシントンに滞在中。

同当局者はシリアでのISIS掃討に関連して、有志連合はアサド政権軍の弱体化を図る行動を起こすことが必要とも強調。オバマ米政権は過去にアサド大統領排除の必要性に言及したが、シリアでの対ISIS作戦に絡んでは政権軍への攻撃は対象外とする立場を示している。

カタール政府当局者は特に、爆薬などを入れて殺傷力を高めた「たる爆弾」を民間人に用いるアサド政権を非難し、米国などは阻止に動くべきだと説いた。また、アサド政権による化学兵器使用の発覚後、公言していた軍事行動に踏み切らなかったことで、中東地域での米国の威信は失墜したとも指摘した。

米国とカタールは、シリア情勢への対応での意見対立が表面化している。米国は、カタール政府や個人がアルカイダ系のヌスラ戦線などシリアの一部の過激派へ資金援助しているとして反発。カタールは、米国がテロ組織として指定するイスラム組織ハマスを認め、ムスリム同胞団が首都ドーハに事務所を設置することも容認している。

カタール政府当局者は、同国はテロ組織への資金援助を中断させるあらゆる手立てを講じていると反論。米国がカタールに特定の悪者の摘発を望むなら、証拠を共有させて捜査や逮捕につなげるべきだと主張した。

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