(CNN) 英ロンドン警視庁は24日、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に参加するためトルコへ向かったとみられる英国人の少女3人が、すでにシリア入りしたとの見方を示した。
警視庁は声明で、3人の行方について「すでにトルコからシリア国境を越えたと断定する根拠がある」と述べたが、詳細には言及しなかった。
英警察が先週発表したところによると、15~16歳の少女3人が17日にロンドン・ガトウィック空港発、トルコ・イスタンブール行きのトルコ航空機で渡航。ロンドン警視庁は翌日、トルコ大使館に連絡したとされる。
警察はトルコの報道機関やインターネットのソーシャルメディアを通し、3人に帰国を呼び掛けていた。3人の両親らも公の場で「帰ってきて」と訴えた。
トルコのアルンチ副首相は24日、3人の渡航を見逃したのは同国でなく、英国側に責任があると主張。英当局から連絡があったのは渡航から3日もたってからだったと批判した。
出発の数日前、少女3人のうち少なくとも1人は、2013年にシリアへ渡った英スコットランドの女性、アクサ・マフムードさんとソーシャルメディア上で接触していたとみられる。
マフムードさんは現地でISISに加わり、ソーシャルメディアを通じて若者らの勧誘を図ってきたとされる。マフムードさんに対しては家族から、「イスラムをゆがめる邪悪な行為」を非難する声明が出された。
家族は一方で、英当局はマフムードさんのソーシャルメディア上の発言を監視しているにもかかわらず、少女らとの接触に介入できなかったと批判した。
未成年の3人が同伴者なしで何の質問もされず、トルコ行きの便に搭乗できた経緯にも疑問が残る。
トルコとシリアの国境はかねて警備が難しいことで知られ、密輸業者やクルド人勢力が不法越境を繰り返していた。11年にシリアが内戦状態に陥ってからは特に、外国から同国へ流れ込む志願兵の主要ルートとなっている。
トルコ渡航の英少女3人、すでにシリア入りか