まるで巨大な監獄――ISIS「首都」での暮らしとは

ISISの戦闘員。地元活動家によれば、ラッカは「巨大な監獄」と化しているという

2015.02.24 Tue posted at 15:49 JST

(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が「首都」と称するシリア北部の都市ラッカ。同地に入るのはそれほど難しくない。問題は出ることの方にある――。現地で活動する男性がCNNのインタビューに答え、処刑や輸血の強要、ISIS戦闘員との結婚の強制などが横行するラッカでの生活の様子を語った。

活動家のアブ・イブラヒム・ラカウィさん(仮名)は元医学生。ラッカの実態を告発する組織を創設した。メンバーの1人はISISに拷問されて殺害され、残るメンバーも殺害予告を受けているという。

それでも告発をやめるつもりはない。「私は人生を失った。学校はなく、未来もない。でもそれは、自分や自分の街に望んだことではなかった」「私の街と私の家族、罪のない市民のために、私たちは最善を尽くす。自分たちの街を救いたい」

ラカウィさんによると、ラッカでは2カ月の間に少なくとも40人が、反体制派「自由シリア軍」に加わったことや同性愛者であることを理由に処刑された。住民は、空爆で負傷したISIS戦闘員のために輸血を強要されているという。

シリア北部の都市ラッカで活動する人物から話を聞いた

女性にとってラッカは「巨大な監獄」と化している。45歳未満の女性は街を出ることを許されず、把握できている限りでは270人以上がISISI戦闘員との結婚を強要された。複数の妻を持つ戦闘員もいるという。

処刑場と化していた広場では、建物がピンクや白や金色などの派手な色に塗り替えられた。空爆の標的になりにくくする狙いがあるとラカウィさんは見る。

同地に流入している外国人戦闘員と地元住民の間には「大きな壁」があるとラカウィさんは言う。「一部の外国人戦闘員にとっては天国かもしれない。多額の現金や高級住宅や高級車を与えられているから」

一方で、脱出しようとした戦闘員が殺害されているとのうわさもある。「ISISはパスポートを取り上げて、逃亡しようとした者は直ちに殺害する」とラカウィさんは話している。

「まるで監獄」 現地の活動家が証言

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