原油安で痛手のナイジェリア、OPEC緊急会合求める

サウジなどが原油を減産しないのは北米でのシェールオイル開発への対抗が要因か

2015.02.24 Tue posted at 11:27 JST

(CNNMoney) 原油価格の急落で大きな打撃を受けているナイジェリアが、石油輸出国機構(OPEC)の協調減産に向けた緊急会合を開催したいとの意向を示した。一方でOPEC最大の産油国サウジアラビアは、減産拒否の立場を貫いている。

OPECの定期総会は昨年11月に開かれ、次回は6月に予定されている。しかしナイジェリアの石油相は23日、英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、原油安がこのまま続いた場合は緊急会合が必要になると述べた。

OPECは前回の総会でサウジなどの主張通り、原油安に歯止めをかけるための減産を見送ると発表した。原油価格はその後、さらに30%も下落している。

だが専門家らによれば、たとえOPECが近く緊急会合を開催したとしても、そこで減産が決まる可能性は低い。サウジやクウェート、アラブ首長国連邦(UAE)といった有力国が依然として減産に消極姿勢を示しているからだ。

ナイジェリアはアフリカ最大の産油国で、石油依存度が非常に高い。ドイツ銀行の推計によれば、財政収支の均衡を保つためには1バレル120ドル近い原油価格を維持する必要がある。

原油価格の下落傾向が続く

一方でサウジの石油相は昨年末、たとえ原油価格が1バレル20ドルに落ち込んでも減産に踏み切るつもりはないと表明した。

原油安の背景には、米国で進むシェールオイル開発による供給過剰がある。サウジには原油価格を低く抑えることでシェールに対抗し、シェアを奪還する狙いがあるとみられる。

だがこの狙いも、ナイジェリアにとってはほとんど意味を持たない。最大の市場だった米国への輸出は、2010年7月の3640万バレルから、昨年11月には170万バレルまで激減した。

2008年の原油価格暴落を事前に予測した実績を持つ米シティグループのエドワード・モース氏は最近、OPEC崩壊の可能性に言及している。同氏によれば、原油価格の下落は今年も続き、第2四半期には1バレル35ドルまで落ち込む見通し。60ドルまで回復するのは来年以降になるという。

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