イエメンのシーア派武装勢力、新政権発足の交渉に合意

イスラム教シーア派の武装勢力が新政権発足のための交渉に暫定合意

2015.02.21 Sat posted at 14:44 JST

(CNN) イスラム教シーア派の武装勢力「フーシ派」が権力奪取を宣言した中東イエメン情勢で、和解の調停に当たる国連特使は20日、武装勢力が新政権発足のための交渉に暫定合意したと発表した。

イエメン北部を拠点とする同派は分離独立をこれまで主張。イランの支援も受けている。

調停役のジャマル・ベノマル特使によると、交渉の当事者はフーシ派の今回の合意を受け、内戦回避に道が開けたと期待。今年1月に首都サヌアに進攻し、大統領府や政府庁舎などを軍事制圧し、ハディ暫定大統領や首相を辞任に追い込んだ同派の強硬路線の転換を示すものと歓迎している。同国はスンニ派が多数派。

同特使によると、暫定合意の内容はあくまでおおまかな項目に限って成立しており、最終合意へ向けての課題は山積している。新政権や大統領の在り方、合意事項の遂行の保証などでの調整が必要としている。

暫定合意には、現在の議会に加え、新たな議会機関の新設も盛り込まれた。議席の半分はフーシ派が握り、残り半数は南部の代表者に付与する。議席総数の半分は女性や若年層に割り当てられる。現在の議会はそのまま維持される。

イエメンの首都サヌア

国連はフーシ派に対し占拠する政府施設からの撤退を要求している。ただ、暫定合意ではフーシ派の武装要員が首都にとどまることは認めている。

ベノマル特使は、フーシ派指導者と独立系政党などの間で暫定合意へ向けての調停交渉を進めていた。同派はこの過程で、結果が得られなければ武力行使を拡大させるなどと威嚇していたという。

米国などはイエメンでアルカイダ系テロ組織の掃討作戦を続けている。フーシ派の政権奪取宣言を受け、作戦に支障が出るとの懸念も生まれていた。

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