米国は「睡眠大不況」 対処法は?

米国は「睡眠大不況」?

2015.03.14 Sat posted at 09:00 JST

(CNN) 米国人にとって睡眠不足は身近な問題だ。コロンビア大学公衆衛生大学院の研究チームは米小児医学会の機関誌でこのほど発表した論文で、現在の米国の状況を「睡眠大不況」と呼んだ。

米疾病対策センター(CDC)も昨年、睡眠不足は国民の健康にとって伝染病のようなものだと警鐘を鳴らしている。特に影響を受けているのは10代の若者のようだ。

コロンビア大学の研究では、1991年から2012年にかけて27万人以上の中学2年生、高校1年生、同3年生の睡眠時間を調査。若者の睡眠時間が徐々に減少していることを明らかにした。

これによれば平均睡眠時間は7時間で、理想とされる時間よりも2時間少ない。なかでも短いのはアフリカ系と中南米系の男子だ。

研究チームを率いたキャサリン・キーズ助教によれば、理由は不明だという。だが研究チームでは、インターネットやソーシャルメディアの利用や、大学入試の競争激化が1つの要因として挙げられるのではないかと考えている。

若者の間で睡眠時間が減っている

世代に関係なく睡眠不足が心身のさまざまな不調を引き起こすことは知られている。過食や脳の萎縮を引き起こし、2型糖尿病の誘因にもなる。刺激への反応が遅れるせいで自動車の運転が下手になる可能性があるほか、記憶違いを発生させる恐れもあるという。

では私たちはいったいどのくらい眠るべきなのか。全米睡眠財団が先ごろ発表した、1日当たりの推奨される睡眠時間を見てみよう。

・新生児(0~3カ月) 14~17時間

・乳児(4~11カ月) 12~15時間

・幼児(1~2歳) 11~14時間

・就学前児童(3~5歳) 11~14時間

・就学児童(6~13歳) 9~11時間

・ティーン(14~17歳) 8~10時間

・ヤングアダルト(18~25歳) 7~9時間

・成人(26~64歳) 7~9時間

・高齢者(65歳以上) 7~8時間

寝る前にリラックスすることは重要?

一方で寝付きをよくしたり、ぐっすり眠るための方法についての研究も進んでいる。南カリフォルニア大学の研究チームが米医師会の内科専門誌で発表した論文によれば、瞑想(めいそう)も効果があるという。

この研究では軽い睡眠障害を抱える55歳以上49人を2つのグループに分け、1つのグループには瞑想の方法を教え、1日20分間行うよう指導した。もう一方のグループには、睡眠障害を引き起こすような日中の行動や要因を見直すよう指示を出した。

すると、瞑想を行ったグループの方がよく眠れたという。この結果の有効性を証明するにはさらに大規模な調査が必要だが、寝る前にリラックスするのが大切だというのは不自然な話ではないだろう。

全米睡眠財団も、寝る前にリラックスできるような「儀式」を行ってからベッドに入ることを勧めている。

また同財団によれば、毎日同じ時間に起床し、就寝することもお勧めだ。また、すっきり目覚めるために明るい光を浴びることや、昼寝や過食を避け、夜には酒やタバコを控えることも効果が見込めるという。

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