ワシントン(CNN) オバマ米大統領は18日、ワシントンで開催された過激派対策サミットで、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との戦いは宗教戦争ではないというこれまでの考えを繰り返した。
オバマ大統領は「私たちはイスラム教と戦争状態にあるのではない。イスラム教をゆがめている勢力と戦っているのだ」と述べた。
ホワイトハウスは一貫して、この会議の中心課題が「イスラム過激派」だと名指しするのを避けてきた。こうした姿勢に対し、共和党から非難が起きているほか、一部の専門家からもとまどいの声が聞かれる。
だがオバマ大統領とその周辺は、パリやコペンハーゲンで事件を起こしたテロリストたちが「宗教戦士」に祭り上げられることを懸念。その大半は過激派のイデオロギーを否定しているイスラム教徒コミュニティーの孤立化も危惧している。
サミットの準備段階では、米政府関係者は欧米や中東諸国におけるイスラム過激主義を洗い出し、その拡大を防止することが優先課題であることも認めていた。
米高官らは、過激派の発するメッセージと戦う効果的な手法を国家やコミュニティーのリーダーたちと共有したいと語る。彼らが特に注目しているのは、社会的・宗教的コミュニティーがその内部にいる過激派と戦う力だ。
バイデン米副大統領はサミットが開幕した17日、米国が「軍事的な対応策の先にある対応策を必要としている」と指摘。
バイデン副大統領は「1つ1つの積み重ねのなかから、さまざまなコミュニティーや、社会の周辺に追いやられているために過激派の影響を受けやすい人々に働きかける努力をしていかなければならない」と述べた。