1000年前の金貨2000枚、イスラエル沖の海底で発見

イスラエル沖で金貨約2000枚が発見された=イスラエル考古学庁提供

2015.02.19 Thu posted at 11:38 JST

(CNN) イスラエル考古学庁は17日、同国沖の海底で約1000年前の金貨が2000枚近く見つかったことを明らかにした。

地中海沿岸の港湾遺跡、カイザリアの沖合でダイビングをしていた地元のグループが、数週間前に偶然発見した。グループは海底で何かが光っているのを見かけ、最初はおもちゃのゲーム用のコインかと思ったという。だが実際は、それよりはるかに貴重な歴史的遺産だった。

イスラエル国内で過去にこれほど多くの金貨が見つかった例はない。この一帯にはほかにも古代の遺物が沈んでいる可能性が出てきた。

考古学庁で海洋考古学部門を率いるコビ・シャルビット氏は、「王朝の船が徴収した税を載せ、エジプトの都へ向かう途中で沈没したのではないか」と話す。

同氏によれば、金貨はカイザリアに駐留していた兵士に渡されるはずの給与だったとも考えられる。あるいは、地中海沿岸を港から港へと渡っていた商人の船が沈んだ可能性もあるという。

金貨の保存状態は非常に良好だという

金貨の単位は数種類あるが、どれも保存状態は非常に良好だった。最も古いのは9世紀後半、イタリア・シチリア島のパレルモで鋳造された0.25ディナール貨幣だった。紀元1000年前後に北アフリカから中東にかけての広い地域を支配したイスラム教シーア派の帝国、ファーティマ朝の金貨が大半を占めているという。

シャルビット氏によれば、海底に埋もれていた金貨がこの冬の嵐の影響で表面に出てきたと考えられる。考古学者らは現地周辺でさらに調査を進める構えだ。

シャルビット氏は発見者のダイバーたちが金貨を自分たちで持ち帰ろうとせず、ただちに当局へ報告したことに感謝の意を表明。「かれらは模範的な市民たちだ。金を発見しただけでなく、母国とその歴史を愛する金の心を持っている」と称賛した。

1000年前の金貨2000枚、イスラエル沖の海底で発見

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