ISIS、臓器売買で資金獲得か 国連が調査へ

臓器売買にからみ、ISISが医師を殺害した事件を調査するよう要請が行われた

2015.02.19 Thu posted at 10:39 JST

ニューヨーク(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が臓器売買を行っているとの指摘を受け、国連が調査を開始する方針であることが19日までに分かった。国連の高官が明らかにした。

ISISは殺害された一般市民から臓器を摘出し、その売買によって資金を得ている可能性があるという。

ライアルグラント英国連大使によれば、この問題はまだ公式には議論されていない。問題を提起したのはイラクのハキム国連大使だが証拠はないという。

ハキム国連大使は17日、安保理に対し、同国北部の都市モスルで12人の医師が死亡した事件の調査を呼びかけた。ハキム大使によれば、医師らは遺体から臓器を取り出すことを拒んだのちに殺害された。

ハキム大使は報道陣に「発見された遺体の一部は切断されていた。つまり、いくつかの部位が失われていた」と述べた。背中の腎臓がある部分が切られた遺体もあったという。

米カリフォルニア大学バークレー校で臓器売買に関する記録・研究プロジェクトを率いるナンシー・シェパーヒューズ教授は「(遺体から)臓器を盗む行為は、内戦や麻薬組織がらみの戦争、規律が不十分な軍隊の関わる戦争では珍しくない」と語る。

イラク担当国連特使のムラデノフ氏によれば、この問題に関する調査が行われる見通し。ムラデノフ特使は「私たちも同様の報告を受けている。だが細かく調べないうちから確認を急ぐ気はない」と述べた。

米財務省によれば、ISISは史上最も資金が潤沢なテロ集団だ。石油の売却益のほか脅迫やソーシャルメディアといった手段も活用、1日に約100万ドルを得ているという。

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