ウクライナ・マウリポリ(CNN) 15日に停戦が発効したウクライナ東部で16日、軍と親ロシア派武装勢力の衝突が起き、早くも停戦の履行が危ぶまれる状況になっている。
ウクライナの国防報道官によると、武装勢力との戦闘で治安部隊の5人が死亡、25人が負傷した。これまでに小火器の発砲や砲撃などを含め、少なくとも129回にわたって停戦が破られたとしている。
これに対して親ロシア派は、政府軍の側に停戦違反があったとして非難した。
停戦は15日午前0時に発効し、16日には双方が重火器を撤去するはずだった。しかしいずれもまだ撤去には至っていない。
陸軍報道官は、状況が落ち着けば重火器を撤去する意向だと述べ、「軍は応戦においてのみ攻撃する」と強調した。
今回の停戦は、10カ月に及んだ衝突の終結を目標としている。しかしウクライナ当局は、発効から1時間半もたたないうちにルガンスク州ゾロテ近くの軍検問所が砲撃されたと伝えていた。
それでも16日現在、東部の多くの地域では停戦が履行されている様子だ。何週間もの間外出できなかった住民も、食料や医薬品を買いに出かけられるようになっている。
だが今後どうなるかはまだ分からない。1人の女性はCNNの取材に、「この流血はどれくらい続くのか。私たちはただ平和が欲しいだけなのに」と訴えた。