(CNN) 米国防総省などは14日までに、イラクに拠点を築くイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がイラク西部アンバル州にある米軍兵士も駐屯するアインアルアサド空軍基地を襲撃、イラク軍がこれを撃退したと発表した。
米軍も武装ヘリコプターを出動させたが、戦闘には加わらなかったという。同省のカービー報道官はCNNに、ISIS戦闘員は同基地敷地の外周ラインに到達したとみられると指摘した。
同省は声明で、戦闘は操縦士の訓練教官などを務める米軍兵士約400人が常駐する地点から数キロの場所で発生したと報告。米軍兵士は直接的な脅威にはさらされなかったが、同報道官は危険な事態に遭遇したことは間違いないと述べた。
今回の基地攻撃で、米兵が地上の戦闘に巻き込まれる恐れがさらに高まったとの見方も出ている。オバマ米政権はイラクでのISIS掃討作戦に絡み、米戦闘部隊の派遣を再三否定している。ただ、大統領は先に軍事力行使の承認を米議会に求めた際、一定の条件を付けながらも一時的な地上部隊投入に含みを残す発言も見せていた。
同基地の襲撃グループは20~25人で、自爆の戦闘員に先導されていた。大半はイラク軍の制服を着込んでいたという。イラク軍がこれら戦闘員を殺害したとしている。
イラク軍が押さえている同空軍基地は同国でも最大規模で、戦略的な重要性は大きい。米中央軍によると、イラク軍治安部隊の約800人も多国籍軍兵士と共に訓練を受けている。
基地は同州アルバグダディ市から南へ約15キロ離れた地点にあり、ISISは13日、同市を3方面から攻撃し、陥落させていた。市は首都バグダッドから北西部に位置する。
アンバル州政府当局者によると、基地を襲った戦闘員はアルバグダディ市の方面から来たとみられる。
中央軍によると、米軍が主導する有志連合によるISIS拠点への空爆は続いており、イラクでも12日から13日にかけ計7回実施。うち5回はアインアルアサド空軍基地近くで見付かった戦闘員や装備品が標的となった。
ISIS、米軍駐屯の基地を攻撃