(CNN) アフリカ北部チャドの治安当局筋や国連機関などは13日、隣国ナイジェリア北部に拠点を築くイスラム過激派「ボコ・ハラム」が同日未明、チャド湖岸にある漁村を襲撃し、一般住民4人と兵士を殺害したと述べた。
ボコ・ハラムによるチャドへの越境攻撃は初めてとみられる。
同過激派はこの数時間前、ナイジェリア北東部のマイドゥグリ市近くで2カ所の村落を攻撃、村民ら21人も殺害していた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)もチャド内での襲撃情報を得て、被害の概要の把握に努めている。数千人規模の住民が避難を強いられたという。ボコ・ハラムの戦闘員約30人がボートに分乗して襲ったとしている。死者の中には地域指導者も含まれるという。
ナイジェリア北東部で勢力を広げるボコ・ハラムは最近、隣国のカメルーンやニジェールへの越境攻撃も加速している。
これに対しアフリカ連合(AU)は今月初旬、ナイジェリア、ニジェール、ベニン、カメルーンやチャドなどを含む8700人規模の多国籍部隊を創設し、ボコ・ハラム掃討に本腰を入れていた。今月初旬にはチャド軍がカメルーン、ナイジェリア両国国境付近に進攻してボコ・ハラムと交戦していた。
同過激派によるチャドへの侵入や攻撃は同国のこれら措置への報復とも受け止められている。