「聞き耳テレビ」はSiriと同じ――サムスンが説明

サムスンは誤解を与えたとしてプライバシーポリシーの改定を行った

2015.02.12 Thu posted at 16:14 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 韓国サムスン製のスマートTVが利用者の会話に「聞き耳」を立てているとされた問題で、サムスンは10日、誤解を招く内容があったとして同製品のプライバシーポリシーを改訂した。スマートTVの音声認識技術の仕組みは、アップルの「Siri」やグーグルの「Google Now」、マイクロソフトの「Cortana」などと変わらないと説明している。

改訂前のプライバシーポリシーには、「私的な会話や重要な情報を含め、言葉を発すればその情報がデータとして傍受され、音声認識機能を通じて第三者に送信されますのでご注意ください」と記されていた。

サムスンによれば、スマートTVの音声認識はテレビ経由とリモコン経由の2通りの方法がある。テレビの方は継続的に利用者の声を「聞いている」ものの、例えば「チャンネルを変えて」「ボリュームを上げて」など、特定の指示用語を待機している状態。こうした音声データはどこにも保存されず、インターネットを介して送信されることもないという。

一方、リモコンでボタンを押すと、音声に反応する「アシスタント」が起動して、例えば「お薦めのSF映画を教えて」といった指示を出せるようになる。

インターネットを介して外部に送信されるのは、リモコンのボタンを押してこの機能を起動させた場合の指示用語だという。

外部に情報が送られるのは、リモコンで音声認識機能を起動させた場合だという

送信された音声データは、ニュアンスという会社が文字に変換してテレビに送り返し、検索が実行される仕組み。ニュアンスは、音声を文字に変換するソフトウエア「ドラゴン」のメーカー。また、サムスンもサービス向上に役立てる目的で、こうした指示用語を収集している。

同社はブログでも、「音声操作はスマートフォンやタブレット端末などの製品で利用できる他の音声認識サービスと同じような仕組みで機能する」「サムスンは消費者のプライバシーを尊重しており、当社の製品はプライバシーを念頭に設計されている」と強調した。

改訂前のプライバシーポリシーには、指示用語はテレビからも収集され、たとえテレビの音声操作機能を無効にしたとしても、音声は引き続き記録されるという説明もあった。

しかし改訂後のプライバシーポリシーではこの部分が削除された。

サムスンによれば、テレビの前で話した内容が不正に盗聴されるのを防ぐため、暗号化など「業界標準のセキュリティー対策」も施しているという。

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