ISIS、シリア国外で欧米人らの拉致謀議

シリアやイラク各地でISISとの戦闘が続く=シリア北部コバニ、Ricardo Garcia Vilanova提供

2015.02.07 Sat posted at 15:19 JST

(CNN) シリア北東部ラッカを拠点とするイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の勢力が昨年半ば以降にも、レバノンやヨルダンなどの隣接国で欧米人らを拉致しシリア内へ連れ去る計画を作成していたことが6日わかった。中東の治安筋がCNNに明らかにした。

インターネットなどを使って人質を登場させ、自らの主張をのませるプロパガンダ戦術を続けるための謀議ともみられる。同組織はこれまで人質の首を切断するなどの処刑画像を少なくとも7件公表している。

ISISが現在、人質として拘束する詳しい人数は不明。拉致が起きても、当該の政府、雇用先や家族らが解放交渉が進む間、犠牲者の安全を考慮し事実を伏せることなどが一因となっている。

他国での拉致強行を計画したISISの勢力は越境を行い得る資金力を持ち、ISISの主張に同調する国境警備要員を買収している可能性がある。以前の人質拘束で得た身代金が使われているともみられる。

イラクやシリアで勢力を伸ばしたISIS

エジプトに現れたISISに忠誠を誓うグループが欧米人拉致の協力に積極的な姿勢を見せている可能性もあるという。

CNNで国家安全保障問題の解説を担当するロジャース元下院議員は、他国での拉致計画は有り得る話と指摘。シリアからレバノンやヨルダンへ逃れる難民は多く、テロリストが国境で紛れ込む危険性に言及。難民キャンプで働く援助スタッフが標的に成り得るとも述べた。

シリアの米大使館勤務がある元武官はヨルダン北部には多数のISIS支持者がいるとし、対シリア国境の警備態勢は極めて貧弱と主張した。

また、別のグループが欧米人らを拉致し、ISISに売り付けることも考えられるとの見方もある。

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