(CNN) 中国のインターネット情報センター(CNNIC)は3日、同国での昨年のネット利用状況をまとめた報告書を発表した。ネット利用者は中国全体で6億4900万人を超え、世界一の規模と急成長を誇っている。
この人数は、米国の全人口の約2倍に相当する。前年から3100万人が新たに加わった。13年の前年比5400万人増と比べると、勢いはやや鈍化している。
ネット接続にスマートフォンやタブレットなど携帯機器を使っている人はユーザー全体の80%を超え、5億5700万人に達した。携帯機器の利用者は1年間で5700万人も増加した。
ただ中国の人口全体からみると、ネットが利用できない人は52.1%に上り、依然として過半数を占めている。特に農村部のネット普及率は都市部と比べ、はるかに遅れをとっている。
世界銀行や国連がまとめた統計によると、中国に続いてネット利用者が多いのは米国で2億8000万人。インドの2億4300万人、日本の1億900万人がこれに続く。
ただし中国のネット利用者が得られる情報は、他国の利用者とかなり大きな差がある。ツイッターやフェイスブック、グーグルといったサイトへのアクセスを、当局が禁止したり厳しく制限したりしているためだ。「一党独裁の終結」など、政府が不適切と判断した言葉の使用も禁じられている。
利用者の多くはこれまで仮想プライベートネットワーク(VPN)と呼ばれるサービスを使って検閲を回避してきたが、政府は最近、VPNの遮断にも乗り出した。
中国政府はネット接続への制限によって芽生え始めたばかりの「知識経済」を自ら抑圧し、外国企業のソフトなどを締め出すことで自国の競争力を弱めているとの指摘もある。