「世界ヒジャブ・デー」 イスラム教への理解呼び掛け

2015.02.03 Tue posted at 19:22 JST

(CNN) 今月1日は「世界ヒジャブ・デー」。ヒジャブはイスラム圏で女性が髪などを覆うためのスカーフだ。米国に住むイスラム教徒の女性が3年前から提唱し、今年はソーシャルメディアでも話題になった。

世界ヒジャブ・デーを発案したのは米ニューヨーク在住のナズマ・カーンさん。11歳の時、バングラデシュから家族とともに渡米した。カーンさんにとって、ヒジャブは信仰心と「慎み深さ」の象徴だ。

「慎みはイスラムの教えのひとつ。自分の信じる宗教に従ったからといって差別されることがあってはならない」と、カーンさんは主張する。

ヒジャブを非イスラム教徒や、普段は着用しないイスラム教徒にも着けてみてもらうというのが、世界ヒジャブ・デーの趣旨だ。

アラビア語の「ヒジャブ」はスカーフだけでなく、慎み深い服装や行動全般を指す言葉でもあるという。

カーンさんは「ヒジャブを知ってもらうことによって宗教への寛容と理解を世界に呼び掛け、高めることが私たちの目標。ヒジャブを着けているというだけの理由で差別される女性は多い」と話す。「世界ヒジャブ・デーのイベントを通し、ヒジャブ姿の女性もほかの人々と変わらないことを理解してほしい。だれかに着用を強制されているわけではなく、慎み深くすることで教えに従おうとしているだけなのです」

フェイスブックやツイッターには1日、非イスラム教徒の女性がヒジャブを着けた画像や、「ヒジャブが女性にもたらす美しさを支持します」といったコメントが相次いで投稿された。

カーンさんは米国へ移り住んだころ、ヒジャブを着けて登校する姿をからかわれ、悪口を言われた。

それは高校生や大学生になっても続き、2001年の米同時多発テロ以降はさらに激しさを増した。「オサマ(国際テロ組織アルカイダの指導者)とかテロリストというあだ名を付けられ、常に恐怖の中で暮らしていた。悪夢のような日々だった」と振り返る。

11年の夏、世界各地の友人たちから同様の経験談を聞く機会があった。「彼らのため、私自身のために何ができるだろう」と考えた末、「ほかの女性たちに1日だけでも私と同じ体験をしてもらえば、何かが変わるのでは」と思い立った。

今年は世界33カ国で、カーンさんに賛同する「大使」たちがイベントを開催した。

カナダ西部アルバータ州のフォートマクマレーでは、ショッピングセンターにヒジャブの体験コーナーが設けられた。このイベントを率いたパキスタン出身のキラン・マリクカーンさん(37)も、「自分たちの殻に閉じこもっていたら障壁や固定観念を崩すことはできない」と強調した。

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