政変から4周年、反政府デモで16人死亡 エジプト

2015.01.26 Mon posted at 10:41 JST

(CNN) エジプトでムバラク政権崩壊につながった反政府デモから4年が経過した25日、首都カイロなどでデモ隊と治安部隊が衝突し、当局によると15人の死者が出た。24日にもデモ参加者1人が死亡した。

保健省の報道官は、25日の死者には警官1人と、北部ブハイラ県で爆弾を仕掛けようとしていた2人組が含まれていたと述べた。

同国の人権団体によると、この日のデモを報道していたジャーナリスト8人が当局に拘束された。内務省はデモでの拘束者数について、直後に釈放された者もいるため合計人数は不明としている。

24日に死亡した女性は、カイロ中心部のタハリール広場へ向かう小規模な行進に参加していた。警察は当時、催涙ガスでデモ隊の排除を図っていた。参加者らは女性が警官に射殺されたと主張したが、警察側は実弾の使用を否定している。

ソーシャルメディア上に流れた写真には、血を流す女性の背後にライフル銃を持つ警官の姿が写っている。検察当局は警官らやデモ参加者の事情聴取に乗り出した。

タハリール広場は2011年、大規模な反政府デモと流血の舞台となった。当時デモを弾圧した警官らの大半は無罪となり、デモ参加者殺害の罪で起訴されたムバラク元大統領も昨年11月に事実上の無罪判決を受けている。

野党の報道官は女性の死を受け、「この4年間に治安当局の責任を追及する動きがあれば、こんなことにはならなかったはずだ」と訴えた。

同国ではムバラク政権崩壊後の選挙で就任したイスラム系のムルシ前大統領が13年夏に軍事クーデターで追放され、前大統領支持派によるデモ隊の強制排除などでさらに1000人以上の死者が出た。一方で治安当局を標的としたテロ攻撃が急増し、軍兵士や警官ら数百人が死亡している。

特に北東部シナイ半島では、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓う過激派組織が活動を激化させ、軍が掃討作戦を強化してきた。これに対して野党勢力は、政権が対テロ戦を口実に強権支配を図っているなどと強い 反発を示している。

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