ニューヨーク(CNNMoney) キューバのグアンタナモ米軍基地に12年にわたって収容されている男性が、収容中の体験などをつづった手記「グアンタナモ・ダイアリー」を出版した。
著者のモハメドウ・オウルド・スラヒ氏はモーリタニア出身で、2002年から同基地に収容されている。1990年代にアフガニスタンで戦闘に加わり、2001年9月11日の米同時多発テロの後、ロサンゼルス空港の爆破を企てた疑いで米当局に拘束された。テロ実行犯の勧誘に手を貸した容疑もかけられているが、起訴されないまま現在に至っている。
著書では拷問を受けたと訴え、自分の拘束について尋ねても答えてもらえなかったと記した。
ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ジョー・ノセラ氏は20日の書評で同書について、「すべての米国人が読むべき」と評している。
ピューリツァー賞受賞ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏も、「少しでも良心をもつ米国人なら読むべき。読めば誰もが恥ずべきことと感じ、愕然とするだろう」と指摘する。
同書は20日までに米国のベストセラーランキングの上位200位以内に浮上した。
手記は2006年で終わっている。米政府は当初、この内容を機密扱いとしていたが、米自由人権協会の助けで編集済みの手記が2012年に機密指定を解除された。
スラヒ氏について米連邦裁判所は2010年、証拠が不十分であり、これ以上拘束を続けることはできないと言い渡した。しかし政府が不服を申し立てたことから、今も解放は実現していない。
グアンタナモ基地