米大統領、対ISIS武力行使の承認を要請 一般教書演説

演説するオバマ米大統領

2015.01.21 Wed posted at 13:22 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は20日夜(日本時間21日午前)、上下両院合同会議で一般教書演説を行い、国内経済政策などの施政方針を示した。

大統領は冒頭で「危機の影は通り過ぎ、国の現状は堅調である」と述べ、経済成長や財政赤字の縮小、産業界とエネルギー生産の好調ぶりを指摘。「われわれは景気後退局面から立ち上がり、世界のどの国よりも自由に自分たちの将来を描ける力を手にした」と語った。

続いて、米国民が描くのは「少数の人だけが非常に豊かに暮らす経済か、努力すればだれもが所得増と機会を得られる社会か」と問い掛け、中間所得層への支援強化を訴えた。

具体的には学生や子育て世代、共働き世帯への優遇税制を設け、富裕層への課税強化や大手金融機関からの手数料徴収でこれをまかなう方針を打ち出している。

野党・共和党はこれに強い反発を示しているが、大統領は「政治がじゃまをしなければ、中間層経済はうまくいく」と強調した。

演説するオバマ米大統領

外交面ではまず、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との戦いに言及。アラブ諸国との有志連合により、米国の「軍事力を含む指導力」がISISの勢力拡大を阻止するうえで重要な役割を果たしていると強調した。さらに「この戦いには時間がかかり集中力も要求されるが、われわれは勝利する」と宣言した。

そのうえで議会に対し、「ISISへの武力行使を認める決議を採択することで、われわれの団結を世界に示そう」と呼び掛けた。

サイバー犯罪への懸念を巡っては、インターネットを使った攻撃を阻止するために政府と企業の協力を強化する法案の可決が必要だと訴えた。

対キューバ制裁緩和やイラン核問題への柔軟姿勢についても改めて説明し、理解を求めた。

貿易分野では、アジアで影響力を増す中国に対抗するには「われわれがルールを作らなければならない」と強調。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉を加速させるため、議会が大統領に交渉権限を与える大統領貿易促進法案(TPA)の成立に向けた超党派の協力を要請した。

オバマ大統領演説

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