米FOX、1日に4度の訂正 欧州のイスラム情勢めぐり

2015.01.19 Mon posted at 16:52 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米ニュース専門放送局「FOXニュース」の番組で、欧州のイスラム教徒らに関する不正確な報道が相次いだとされる問題で、同局のキャスターらが17日の放送中、4回にわたって訂正や謝罪の言葉を述べた。

FOXニュースでは最近、欧州にはイスラム法が優先され、イスラム教徒以外は警察さえ足を踏み入れない「立ち入り禁止区域」があるなどとする情報が繰り返し流れた。

これに対し、ほかのメディアから「誇張」「間違い」との批判が殺到。キャメロン英首相も言及するほどの事態となっていた。

FOXニュースが10日朝のニュース番組でフランス国内の立ち入り禁止区域を示したとされる地図を紹介したのに対し、仏メディアは「政府が1996年に作成した貧困地区の地図とまったく同じ」と指摘していた。

番組のキャスターは17日、この地図に不正確な情報が記載されていたことを認めて謝罪した。

また10日夜の番組では、ゲストが英国のバーミンガムについて「完全なイスラム都市で、異教徒が立ち入ることはできない」と発言。ゲストは激しい批判を浴びて謝罪した。

この番組のキャスターも17日、「ゲストの発言に重大な誤りがあったにもかかわらず訂正しなかった」として非を認め、「最新の統計によると、バーミンガムのイスラム人口は22%。同市がいわゆる立ち入り禁止区域になっていることを示す確かな情報源は見つからなかった」と述べた。

一方、17日午後1時のニュースでは、別のゲストが欧州での世論調査の結果として、仏国内のイスラム教徒のうち69%がイスラム教過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を支持していると主張。「欧州全体で同様の傾向がみられる」などと語った。

この時のキャスターは午後4時のニュースで、「FOXニュースはこの調査に信頼性がなかったと断定した」として謝罪した。

同キャスターは午後7時のニュースでも、FOXニュースが過去1週間に欧州のイスラム教徒について複数の誤った情報を流したことを認め、「正式に立ち入り禁止と指定された区域はどの国にも存在しない。また、宗教のみを根拠に立ち入りが拒否される区域があるとの情報に信用できる裏付けはない」と訂正した。

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