行方不明の火星着陸機、11年ぶりに発見 ESA発表

英国の火星着陸機「ビーグル2」の所在が11年ぶりに判明した

2015.01.19 Mon posted at 11:01 JST

(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)は19日までに、2003年末に火星に送り込まれたまま行方不明になっていた英国の火星着陸機「ビーグル2」が、軌道から撮影された米航空宇宙局(NASA)の画像に写っているのが見つかったと発表した。

ビーグル2はESAの宇宙船「マーズ・エクスプレス」から分離され、2003年12月25日に火星の地表に向けて降下した後に通信が途絶えた。

ESAや英宇宙機関によると、NASAの画像を調べた結果、火星の赤道に近い着陸予定地付近に同機とみられる画像を発見。近くにはパラシュートなども落ちていた。太陽光パネルは一部しか展開していない状態で、地球の管制との通信に使うための電力を確保してアンテナを出すことができなかったとみられる。

発見者はドイツの元ESA職員で、ビーグル2チームの一員として、NASAの無人探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」が撮影した画像を何年もかかって解析し続けていた。

英国の火星着陸機「ビーグル2」の所在が11年ぶりに判明した

太陽光パネルの展開に失敗した原因は不明だが、今回の発見は同機を巡る謎を解く助けになったと研究者は指摘する。

ビーグル2のプロジェクトにかかわった英レスター大学のマーク・シムズ氏は「2003年以来クリスマスの日はいつも、ビーグル2はどうなったんだろうと思い続けてきた」といい、顛末(てんまつ)を知ることはほとんどあきらめかけていたと話す。

「極めて複雑な突入、降下、着陸の段階は完璧だった。ただ最終段階になって、残念ながらビーグル2は問題にぶつかった」(シムズ氏)

ビーグル2はESAが初めて火星に送り込んだ着陸機だった。大きさは完全展開した状態で直径2メートル足らず。うまく着陸できていれば、岩石や土壌、大気を分析して生命の痕跡を探すはずだった。

10年ぶりに火星着陸機を発見

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