NASAの宇宙飛行士、1年間のISS滞在へ

船外活動をする宇宙飛行士=2006年、NASA提供

2015.01.16 Fri posted at 13:13 JST

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のスコット・ケリー宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション(ISS)に1年間滞在する。15日に開かれたNASAの記者会見で発表した。1年間の滞在は通常のISS滞在期間の倍に当たり、米国人宇宙飛行士としては最長となる。

ケリーさんによると、滞在に必要な物品はほとんどがNASAから支給され、自分では道具入れとスウェット数枚、ウエートリフティング用の靴を持って行く予定だという。

滞在中はさまざまな実験を行う予定だが、記者会見でケリーさんは、ISSそのものが宇宙で生活するための壮大な実験だと指摘、「この施設のおかげで私たちは、宇宙でどうすれば長期間活動できるかを理解できる。いつか火星へ行くために」と語った。

自由時間にはソーシャルメディアやメールなどを通じて地球上の人たちと交流するつもりだという。経験したことは日記につづり、長期間の宇宙滞在が精神にどんな影響を及ぼすかの研究に役立ててもらうため、一部を研究者に公開するとした。

無重力状態での長期間の生活は目や心臓、骨、筋肉など体全体に影響を及ぼすほか、一時的に身長が伸びる。これについてケリーさんは、「残念ながらそれほど長くは続かないけれど、兄弟の隣に立って彼を見下ろすだけの時間はある」と冗談交じりに語った。

ケリーさんの双子の兄弟のマーク・ケリーさんも元宇宙飛行士で、双子が全く異なる環境で長期間過ごした場合の変化を調べるNASAの研究プロジェクトに協力している。この研究は宇宙で長期間過ごした場合の影響を調べ、小惑星や火星への宇宙飛行について計画を立てる助けになる見通しだ。

健康へのリスクはあっても、1年間の宇宙滞在は「とても楽しみ」とケリーさんは期待する。

1年間の滞在は米国人としては初めてだが、ロシア人宇宙飛行士は1987~95年にかけて4人が1年以上の滞在を経験した。今回もミハイル・コルニエンコさんがケリーさんと一緒に1年間滞在する。

2人はロシアのゲンナジー・パダルカ宇宙飛行士と共に、3月27日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる宇宙船ソユーズでISSに向かう。

宇宙飛行士、1年間のISS滞在へ

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