ISIS、10歳児によるロシア人「銃殺」のビデオを公表

少年がスパイと疑うロシア人を短銃で「処刑」するビデオを公開した。画像はその映像の一部

2015.01.15 Thu posted at 18:55 JST

(CNN) イラクやシリアの一部を支配するイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は15日までに、同組織の少年がスパイと疑うロシア人男性2人を短銃で「処刑」するビデオを公開した。

「内部の敵の摘発」と題されたビデオの内容の真偽は不明だが、プロパガンダ戦術の一環と受け止められている。ISISが子どもが処刑に関与する映像を公開したのは初めてとみられる。

10歳前後とされる少年はISISが以前に公表したビデオにも「アブドゥラ」の名前で登場していた。今回の映像には長髪、黒色セーターに迷彩色の軍服のズボンの姿で現れ、ひざまずく男性2人の頭部を背後から撃つことを想像させる場面が映し出されている。

1人を撃った後、残る1人に2度発砲したことを想起させる場面が流れた後、短銃を高く掲げる姿も収められていた。

ISISは以前、子どもをイスラム教の預言者ムハンマドの後継者を意味する「カリフ」の子どもと呼び、戦闘員として位置付けたことがある。外国人戦闘員に対しては家族の同行を促し、子どもに組織の教義を吹き込むため学校を占拠したこともある。

昨年8月には、ISISが制圧したとされるシリアのラッカ町で7歳のオーストラリア人男児が切断した首を手にする写真がツイッター上に載り、国際社会を震撼(しんかん)させた。この写真を掲載したオーストラリア人の父親は「私の息子だ」とも記していた。

今回の映像に出たアブドゥラと名乗る少年は以前出たビデオの中でカザフスタン出身と明かし、不信心者を殺害して成長したいとも述べていた。アジア系の顔立ちとなっている。

ロンドンに拠点がある反体制派「シリア人権監視機構」によると、ロシアは昨年12月末、シリアにあるISIS支配地域に潜入工作を仕掛けた。今回のビデオではロシア人とされる男性2人が聴取され、年齢を38歳と30歳と認める場面もあった。

また、ロシアの情報機関要員と白状し、ビデオは連邦保安局(FSB)と名指しした。ロシア通信によると、FSBとシリア駐在のロシア大使館はビデオの問題についてのコメントを拒否した。

ロシアのチェチェン共和国のラムザン・カドイロフ首長は今年1月4日、ロシアのインタファクス通信の取材にロシアはISISの内部に諜報(ちょうほう)網を築いていると認めたことがある。

ISIS、10歳児の「銃殺」ビデオを公表

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。