仏週刊紙襲撃 容疑者兄弟を一時監視下に、その後打ち切る

風刺週刊紙襲撃の容疑者が最後に目撃されたガソリンスタンド。容疑者の兄弟が一時、当局の監視下に置かれていたことが分かった

2015.01.11 Sun posted at 14:02 JST

(CNN) フランス当局は、パリ東部の食料品店に立てこもり、警察の突入作戦で死亡した容疑者のパートナーと目される女の行方を追っているが、現在も所在地はつかめていない。また、風刺週刊紙シャルリー・エブドの本社の襲撃に関しては、容疑者は一時当局の管理下に置かれていたものの、その後、監視が打ち切られていたことが明らかになった。

パリ東部のユダヤ系食料品店に立てこもり、警察の突入作戦で死亡したアメディ・クリバリ容疑者(32)のパートナーとされ、パリで8日に起きた女性警官殺害事件で同容疑者とともに手配されたアヤト・ブメディエン容疑者(26)の所在は、現在も分かっていない。

ブメディエン容疑者者についてはトルコ首相府から、今月2日にトルコに入国していたとの情報が入った。マドリード経由でイスタンブールの空港に到着し、シリア国境付近を訪れたことが分かっているという。8日の事件発生時、ブメディエン容疑者が仏国内にいなかった可能性も出てきた。

一方、フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブドの本社を襲撃し、9日にパリ北東の印刷所に立てこもったサイド・クアシ容疑者(34)とシェリフ・クアシ容疑者(32)については、仏当局がかつて一時、監視下に置いていたことが明らかになった。

複数の仏当局者らによると、同国当局は米当局からサイド容疑者がイエメンでテロ訓練を受けたとの情報提供を受け、2011年11月から監視を開始。しかしその後危険人物ではないと判断し、14年6月に監視を中止した。シェリフ容疑者への監視も13年末で打ち切られていた。

2件の立てこもりが発生した=DigitalGlobe/Google Maps提供

米仏の捜査当局は、両容疑者と国際テロ組織アルカイダやイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」とのつながりを詳しく調べている。サイド容疑者がイエメン滞在中、09年の米旅客機爆破テロ未遂事件で終身刑となったウマル・ファルーク・アブドゥルムタラブ受刑者と一時的に同居していたとの情報もある。

一連の事件を受け、パリでは11日、大規模なデモ行進が実施される。オランド大統領をはじめ英国のキャメロン首相、ドイツのメルケル首相、スペインのラホイ首相、ロシアのラブロフ外相、トルコのダウトオール首相らが参加を予定している。

さらにパレスチナ自治政府のアッバス議長、ヨルダンの国王アブドラ2世とラニア王妃、イスラエルのネタニヤフ首相も相次いで参加を表明。

カズヌーブ仏内相は、デモ参加者の安全を守るためにあらゆる措置を取ると強調している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。