仏紙襲撃、容疑者捜索続く 次号を発行へ

2015.01.09 Fri posted at 10:10 JST

(CNN) フランス・パリの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」が襲撃され12人が死亡した事件で、捜査当局は8日、容疑者が北部ピカルディ地域の森林に徒歩で逃げ込んだとみて、付近一帯の集中的な捜索を行っている。

現地からの報道によると、シャルリー・エブドは14日に次号を発行すると宣言した。この号の収益金は犠牲者の遺族に届けられる。

指名手配されているのはサイド・クアシ容疑者(34)と弟のシェリフ・クアシ容疑者(32)。同地のクレピーアンバロア付近で同日、警察のヘリコプターから逃走中の両容疑者とみられる姿が目撃されたという。

ピカルディ地域のヴィレコトレ付近ではガソリンスタンドの従業員が同日午前、2人に脅されてガソリンや食料を提供したという情報があり、警察は付近の道路を封鎖し、武装した警官やヘリコプターを出動させて捜索に当たっている。

バルス首相はパリを含むイルドフランス地域と同様、ピカルディ地域の警戒レベルも最高に引き上げた。

シャルリー・エブドへの連帯を示すポスターなど。11日には大規模なデモ行進が計画されている

米当局者によると、兄のサイド容疑者は直近で2011年にイエメンに渡り、国際テロ組織アルカイダ系列の「アラビア半島のアルカイダ」で武器の使い方の訓練を受けていた。両容疑者とも米国の国際テロ容疑者のデータベースに登録され、航空機への搭乗禁止リストに記載されていたという。

イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」はラジオ放送で8日、シャルリー・エブドの襲撃犯を「勇敢なイスラム聖戦士」と称賛した。ただ事件に関する犯行声明は出していない。

カズヌーブ内相によれば、警察は容疑者の自宅など関連個所多数の家宅捜索を行い、これまでに9人を拘束した。AFP通信は関係者の話として、3人目の容疑者とされる18歳の男が警察に出頭したと伝えている。しかしソーシャルメディアには、事件発生当時、この人物は自分たちと一緒に学校にいたという同級生らのコメントが掲載されている。

パリ郊外のモンルージュでは8日、女性警官が黒い服を着た男に撃たれて死亡、市職員が重傷を負う事件も起きた。パリ副市長はこの事件で1人が逮捕されたと話しているが、銃撃の実行犯が逮捕されたのかどうかは不明。シャルリー・エブド襲撃事件との関連は分かっていない。

警察が容疑者の写真を公開

カズヌーブ内相は11日にパリで国際会議を招集し、米国からはホルダー司法長官が出席する。会議ではテロ対策や過激派対策、外国人戦闘員の問題などについて話し合う。

7日に起きたシャルリー・エブド襲撃事件では、覆面をした男2人が編集会議の最中にオフィスに押し入って銃を乱射し、12人が死亡、11人が負傷した。男たちは風刺漫画家を名指しして銃撃したといい、「アラーは偉大だ」と叫び、預言者ムハンマドの復讐を口にしていたという。

国民の服喪の日となった8日は各地で半旗が掲げられて行事が中止され、エッフェル塔は午後8時に消灯した。雨の中で営まれた追悼式では参列者が犠牲者に敬意を表して沈黙と拍手をささげ、ノートルダム寺院の鐘がパリ市内に鳴り響いた。

エッフェル塔消灯、犠牲者追悼で

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