インドネシア・西ボルネオ、ジャワ海(CNN) インドネシア沖では荒天の中、墜落したエアアジア機の搭乗者や機体の捜索が続いている。飛行データが記録されたブラックボックスを捜すため、必要な装置を現場へ届けるインドネシアの救助船に、CNNの記者が同乗した。
船は4日、西ボルネオの静かな海岸を出発し、約200キロ沖合の墜落現場へ向かった。天候は前日より改善するとの予報だったが、それでも沖へ出るにつれて風が強まった。
現場まで約15時間の船旅。目の前に広がるジャワ海は波が高く、水面に何かが浮かんだと思ってもすぐに視界から消えてしまう。そしてそれは、単なる木片や海草にすぎないかもしれない。
機体とともに海に沈んだとみられるブラックボックスには、位置を知らせるための発信機能がある。その信号を受信する装置を現場の船に届けるのが、この船の任務だ。
荒れた海で長旅を続けるには船が小さすぎる、と船長は話す。しかし、荒天のため沖へ出ることさえできなかったこの数日間に比べれば、大きな進歩だ。
船長は「私には乗員の安全を守る責任があるが、遺体と機体の捜索も重要だ」と、緊張した表情を見せた。
夕方には目指す船が見えてきた。荷物を受け渡す段階までくればあとは簡単な作業かと思われたが、それは大きな見当違いだった。2隻の船が波に押され、ぶつかり合うほどまで近付いたところで、装置の入った段ボール箱を手渡す。波が引けば船はまた離れる。
続いて受信装置の稼働に必要なゴムボートを渡そうとするが、なかなか成功しない。1時間も繰り返すうちに日が暮れ初め、この日の受け渡しは断念することになった。
船はいったん引き返したものの、任務は半分しか完了していない。乗組員たちは数時間仮眠を取って、翌朝また海へ出る。荒波を越えて再び現場へ向かう、長い1日がかれらを待っている。
捜索活動にCNNが同行