「今年のまとめ」に亡くした子どもの写真、FBが謝罪

フェイスブックの「まとめ」機能を不快に感じる人も

2014.12.30 Tue posted at 14:02 JST

(CNN) 交流サイト「フェイスブック」は12月に入り、ユーザーが今年投稿した写真やコンテンツの中で「いいね」やコメントが多かったものをまとめて、ユーザーが今年1年を振り返れる「今年のまとめ」サービスを提供している。しかし、フェイスブックのアルゴリズムが、思い出したくないつらい記憶を呼び起こしてしまうこともあるようだ。

ウェブコンサルタントのエリック・マイヤーさんは今年6月、6歳の娘レベッカちゃんを失った。しかし、マイヤーさんの「今年のまとめ」には、亡くなったレベッカちゃんの写真が中央に表示されていた。

マイヤーさんは24日付けのブログ投稿で「たしかに私の1年はこの通りだった。私の1年を画像にすれば、今は亡き娘の顔になる」と述べ、「それでも、こんな形で無理矢理思い出させるのはあんまりだ」と付け加えた。

マイヤーさんは、「(アルゴリズムは)基本的に無感情なもの」と理解を示しつつも、フェイスブック内の「人間」がアルゴリズムの欠陥を緩和できたはずだと指摘した。

マイヤーさんは、「少なくともフェイスブックに関して、人間的な部分が欠けていたと思うのは、表示させない手段を提供しなかったことだ。『今年のまとめ』は私のフィードに繰り返し現れ、毎回まるで娘の死を祝うかのように、楽しく愉快な背景で表示される。そして、それを止める明確な方法が提供されていない」と述べ、「このサービスは、人生がうまく行っている幸せで陽気なユーザーにはいいが、それ以外のユーザーは一切考慮されていない」と付け加えた。

フェイスブック側も謝罪し、機能の改善を図る方針を明らかにした

マイヤーさんの指摘を受け、「今年のまとめ」サービスの責任者ジョナサン・ゲラー氏は米紙ワシントンポストに、「このサービスは多くの人々に好評だったが、マイヤーさんには楽しみよりも悲しみを与えてしまった」とし、「今後、改善を図っていきたい。マイヤーさんには、悲しみの中、わざわざブログを書いていただき大変感謝している」と述べた。

一方、マイヤーさんも自身の発言についてフェイスブックに謝罪した。

マイヤーさんは、クリスマスにネット上でゲラー氏と開発チームを批判したことを謝罪した上で、プログラマーや設計者を批判して解決できる問題ではなく、ある設計の決断が一方でうまく行っても、もう一方では完全に失敗することを想定し、どちらの場合にも対応できるよう取り組むことが大事だと指摘した。

「今年のまとめ」サービスに傷ついたのは、マイヤーさんだけではなさそうだ。ツイッター上には、やはり死亡した友人や子どもが表示されるとして不快感を示す投稿が一部で見られた。

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