北朝鮮、オバマ大統領を映画公開の「主犯」と非難

北朝鮮の国防委員会はオバマ米大統領を非難する声明を発表

2014.12.28 Sun posted at 14:14 JST

(CNN) 金正恩(キムジョンウン)北朝鮮第1書記の暗殺を描いた米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)の映画「ザ・インタビュー」が映画館やインターネット上で公開されたことに対し、北朝鮮の国防委員会は27日、オバマ米大統領を非難する声明を出した。

声明は、SPEに映画の「無差別」な公開を強制し、米本土の映画館を「なだめたり脅したり」して上映させた「主犯」はオバマ大統領だと非難。「大統領の言動は常に熱帯林のサルのように無謀だ」と批判した。

SPEは当初、「ザ・インタビュー」を25日に全米2000~3000カ所の映画館で公開する予定だったが、「平和の守護者」と名乗るハッカー集団からの攻撃や映画館へのテロ予告を受けていったん公開中止を発表。オバマ大統領はこの判断を、脅迫に屈するのは米国らしくないと批判し、「失望」を表明した。SPEはその後一転、独立系映画館での公開とネット上での有料配信に踏み切った。

米連邦捜査局(FBI)はSPEへのサイバー攻撃に北朝鮮が関与したとの見方を示してきたが、北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は27日、「米国が北朝鮮による攻撃だと言い張るなら、今からでも証拠を示すべきだ」と改めて反発。「米国が北朝鮮からの再三の警告にもかかわらず、ごう慢で高圧的でギャングのように勝手な行動を繰り返すなら、その失政は必ず破壊的な打撃を受けることになるだろう」と警告した。

ソニーへのサイバー攻撃などにより、映画は一時公開中止の決定が下されていた=Megan Pendergrass/CNNMoney

FBIによると、SPEへの攻撃に使用されたコードは、北朝鮮が過去の攻撃で使ったコードに似ているという。しかしサイバー攻撃に詳しい専門家らは、このコードはずっと前に流出し、世界中のハッカーが使える状態になっていると指摘する。SPEが受けた攻撃を分析したうえで、北朝鮮の仕業ではなかったと結論付けている専門家もいる。

「ザ・インタビュー」は25日に米国内の約300カ所の映画館で公開され、初日だけで100万ドル(約1億2000万円)の興行収入を記録した。映画館での大きなトラブルは報告されていない。

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