香港(CNN) 大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)副社長が自社の客室乗務員のナッツの出し方に激怒して搭乗機を引き返させた問題で、韓国の国土交通省は16日、副社長を検察に告発したことを明らかにした。
国土交通省の声明によると、趙氏は激怒した際に大声で暴言を吐いたことが、乗務員や乗客の証言から確認された。この行為は、乗客の協力義務を定めた航空保安法に違反した疑いがあるという。同氏は17日、事情聴取のため検察に出頭する。
同省はまた、機長による乗務員への指示や監督が不十分で運航の安全が確保できなかった可能性があるとして、大韓航空への行政処分を検討する方針を示した。
趙氏は米ニューヨークの空港で韓国行きの便に乗客として搭乗した際、乗務員がナッツを皿に載せず袋に入れたまま出したことに腹を立て、同機を搭乗ゲートまで引き返させて乗務員を降ろすよう要求した。
同氏は先週、機内食や機内販売などの担当職務を解かれた。父親の趙亮鎬(チョヤンホ)会長は会見で謝罪を表明し、副社長職や関連企業の職務もやめさせると語った。
趙氏の振る舞いに対し、韓国の国民からは「越権行為」「職権乱用」といった非難が集中している。インターネット上では「韓国の恥」「大韓航空は名前から韓国という言葉を外すべき」との声も上がっている。
一方では、騒ぎのきっかけとなったマカダミアナッツが一躍脚光を浴び、売れ行きを伸ばしている。韓国のオンライン・ショッピング・サイト、Gマーケットでは、この1週間でマカダミアナッツの売り上げが20倍に急増した。ほかのサイトでも、マカダミアナッツが売り上げトップに躍り出たり、一時的に売り切れたりしている。
あるサイトのコメント欄には、注文したナッツを「袋入りではなく、皿に載せて届けてほしい」というコメントも並んだ。
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